最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
いまや夏になると必ずニュースで扱われるほど、熱中症は日本に住む私達にとって身近で大きな問題です。
熱中症とは熱中症診療ガイドライン2015(日本救急医学会)では「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」であるとされています。すなわち、暑いところにいる時や暑いところにいた直後に起きる様々な症状は、熱中症の可能性があるということです。
どの年代の人も熱中症に注意する必要がありますが、この記事ではこども特有の注意しなければいけない理由を熱中症環境保健マニュアル2022(環境省)に沿ってご紹介します。
1. 思春期までは体温調節が未熟
思春期前のこどもは汗による体温調節能力が未熟です。そのため、普段暑い時には大人以上に皮膚の血流を増やし皮膚から熱を放散することで、その未熟さを補っています。
しかし炎天下などすごく暑い時には、周囲の温度が皮膚の温度よりも高く、皮膚から十分に熱を放散できません。汗による体温調節機能も未熟で、体温調節が追いつかないので、体温は大きく上昇し、熱中症のリスクが急増します。
こどもが顔を赤くしてひどく汗をかいている時は、体温がかなり上昇しているかもしれません。涼しい環境で十分に休息させましょう。
2. 背の低い幼児にとって夏の暑さはさらに高温
夏の晴天時、屋外で幼児が感じる気温は大人に比べて2〜3℃高いと言われています。これは幼児は背が低く、より地面に近いためです。大人が暑いと感じている時、幼児はさらに高温の環境にいることを忘れないようにしましょう。
3. スポーツ中の10代に多発
2012年に報告された熱中症の人数は、男女ともに10代が最多で、その大半がスポーツ中の発生でした。
スポーツ活動では筋肉で大量の熱が発生し、それだけ熱中症の危険が高くなります。激しい運動では短時間でも、またそれほど気温が高くない場合でも熱中症が発生しています。お子さんの運動時は常に熱中症に気をつける習慣を身につけさせましょう。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
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(小児科医 安藤友久)
ピンバック:子どもの熱中症、知るべき症状とその対応 〜大事なことは予防すること - 小児科オンラインジャーナル
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