子どもがタバコを食べたかもしれない!と思った時の4つのポイント

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

ハイハイが上手になり、つかまり立ちや一人歩きも始まってくると、子どもの行動範囲は急激に広がっていきます。好奇心旺盛な子どもは何でも口に入れて確かめようとします。

子どもの誤食の中で極めて多いものはタバコです。今回はどのくらいの量を食べたら危険なのか、もしも食べてしまったらどう対応したらよいかを4つのポイントに分けて紹介します。

タバコそのものを2㎝以上または溶け出た液体を口にしたらすぐに受診を!

タバコ葉の中に含まれるニコチンは非常に猛毒で、子どもの場合は1/21本を摂取すると命の危険があります。タバコを2㎝以上食べると15分~30分ほどで顔色の青白さや吐き気、脈の速さなどが現れ、重症の場合はけいれんや呼吸停止を引き起こします(急性ニコチン中毒の症状

また、ニコチンが溶け出た灰皿の水や、タバコの吸い殻を中に捨てた空き缶やペットボトルの中身をお子さんが飲んでしまった場合は、急性ニコチン中毒になる可能性が高く要注意です。この場合は速やかに医療機関を受診してください。

タバコ誤食後の水分摂取はダメ!

タバコの場合に「吐かせたい!」と思って水分をとらせることは非常に危険です。ニコチンが水分に溶け出し、胃の中での吸収が早まってしまいます。タバコを誤食したと思った場合は絶対に水分を与えないでください。2㎝以上食べた、もしくは食べた量が分からない場合で、すぐに医療機関に行けない時は水分を与えずに、指でのどの奥を刺激して食べたものを吐かせることを試みるとよいでしょう。

タバコ誤食後4〜6時間は注意深く子どもの様子を観察してください

タバコ葉を口に入れると刺激が強く、その場で吐き出すお子さんが多いとされています。このため、誤食した場合でも実際には体の中に入るタバコの葉の量は少ないと考えられています。前述の急性ニコチン中毒の症状は誤食後1560分以内に出ます。症状がある場合はすぐに医療機関を受診してください。また、遅れて症状が出てくることもあります。タバコ誤食後46時間は注意深く子どもの様子を観察する必要があります。

電子タバコ、加熱式タバコも要注意

少し前までは紙巻きタバコが主流でしたが、近年は加熱式タバコ、電子タバコなどの新しい種類も流通しています。加熱式タバコは細かく刻んだタバコ葉を詰めたカプセルを使用しており、カプセルのサイズは約3㎝と短く、お子さんが1本そのままを誤食する危険性が高いです。紙巻きタバコよりもニコチン含有量が多い製品もあり、誤食には要注意です。

また、電子タバコは専用の液体(リキッド)を蒸発させたものを吸うタイプですが、製品によってはその液体がニコチンを含んでいます。電子タバコのリキッドが目の中に入る、誤って飲んでしまうなどのケースも報告されており、注意が必要です。

 

タバコを吸われるご家庭において、禁煙が難しい場合はタバコを決して子どもの手が届かない高い場所に置く、空き缶などを灰皿代わりにしないなどの誤食予防を徹底して行なってください。また、タバコを誤食するという行動はくり返されることがあります。1回目の誤食で軽症であったからといって油断することなく、常にお子さんの安全を確認してください。

また、タバコ以外のものの誤飲に関してはこちらの記事も参考にしてください。(「子どもの異物誤飲〜うちの子こんなもの食べちゃいました!」)

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 大沼奈央

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