小建中湯ーおいしい漢方薬ー

漢方薬は「苦いお薬」というイメージがあるかもしれません。でも、中にはおいしいものもたくさんあります。おいしい子どもの万能薬「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」をご紹介します。

小建中湯はこどもの万能薬です

「うちの子、風邪ひきやすいんですよね」

もしかすると、小建中湯の出番かもしれません。

「よくお腹こわすんですよ」

それも、小建中湯が効くかもしれません。

「なかなか、おねしょが治らなくて」

小建中湯、試してみませんか?

小建中湯は、こどもの万能薬と言われるくらい様々な効果があります。

「メンタルが弱いのが気になって」

小建中湯は心の症状にも有効で、緊張からくる体調不良にも使われます。

親子は症状が似ているので、親子で同じお薬を飲む「母子同服」という方法もあります。お母さんの方がお薬を気に入り、お子さんがお薬をやめた後もお母さんだけ飲み続けた、というケースもあるんですよ。

小建中湯には甘味のある成分が入っています

漢方薬は、元々、食べられるものが材料となっています。

小建中湯には、膠飴(こうい、水あめのような成分です)、芍薬(しゃくやく)、桂皮(けいひ)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、生姜が入っています。

膠飴は胃腸を養う滋養強壮のお薬です。芍薬は腹痛や下痢に有効です。桂皮はお腹を温め、消化機能を高めます。大棗は緊張をほぐし、甘草は痛みを抑え、生姜は消化不良や吐き気に効きます。冷えを取ることで、頻尿や夜尿にも効果があります。緊張を取り、体を温めることで、心理的ストレスを緩和することができるのです。

「中」、つまり「おなか」を「建て直す」のが「小建中湯」なのです。

小建中湯はまずはお湯に溶かして飲んでみましょう

「漢方薬って苦いんですよね」とよく聞かれますが、必ずしもそんなことはありません。

まずはお湯にしっかり溶かすことが大事です。インスタントコーヒーが粉のままでは苦くて飲めないように、漢方薬も粉のまま口に放り込んだら苦くて当然です。本来、漢方薬は生薬を煮出して飲むものですから、ホットで飲むのが一番です。

小建中湯には水あめや甘味のある成分が入っているので、そのままでもおいしいお薬ですが、好みがありますので、コーヒーにお砂糖を足すように、お砂糖やオリゴ糖を混ぜてもいいですよ。

ココアに混ぜるのが好き、というお子さんもいますので、是非お試しくださいね。

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからも子育てに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 堀之内泉

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