自転車の補助椅子にお子さんを乗せることがあると思います。短時間だからいいやと、お子さんにヘルメットを着用させずに乗せてしまったことはありませんか?
(本記事は2021年6月7日に一部表記を修正しました。)
補助椅子を使用するご家族にとって、自転車同乗中のけがは他人事ではありません。自転車補助椅子購入者の4割に子どもを乗せてけがをさせた経験があるとする調査があります(*)。東京消防庁によると、自転車同乗中の怪我によって救急搬送になった子どもは5年間で1,047名にのぼっています(2015年〜2019年)。搬送された年齢は、1〜2歳が最も多くなっています。1〜2歳の自転車転倒、転落の事故は走行中と停車中がほぼ同数となっており、停車中も油断できないことがわかります。
*宮本ら都区内調査
けがの部位としては、顔・頭が88.8%と最多です。警視庁によると、全自転車死亡事故の7割(*)が頭部に致命傷を負っており、頻度が多く、致死的になりうる頭のけがからお子さんを守ることはとても重要です。この重大な事故から守るために、ヘルメットの着用は非常に有効です。米国小児科学会によると、着用によって、重大事故の88%を防ぐことができると言われています。
*警視庁ホームページ『自転車用ヘルメットの着用』平成27年から29年都内の自転車事故死亡者の損傷部位の割合
お子さんとの自転車同乗の際に大切なポイントを4つご紹介します。
(1)子どもの自転車用のヘルメットは乗車前にかぶせましょう。
(2)乗車後はすぐにシートベルトを着用させましょう。
(3)停車中も転倒するおそれがあるので、子どもを乗せたまま自転車を離れたり、目を離したりしないようにしましょう。
(4)前後の幼児用座席に子どもを2人乗せる時の転倒防止のために、「乗せる時は後部から前部の順、降ろす時は前部から後部の順」を守りましょう。
子どもとの自転車同乗は重大事故につながることがあります。ときには急ぐ気持ちになる状況もあると思いますが、常に安全第一を心がけましょう。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
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自転車同乗中の事故は他人事ではありません

ヘルメットで重大事故の88%は防げる

ヘルメット着用の他にも守って欲しい大切なポイント

(小児科医 橋本直也)