最終更新日: 2024年4月10日 by syounikaonline
秋も深まり、しばらくするとインフルエンザが流行する季節となります。
インフルエンザになると、38℃を超える熱や頭痛、関節や筋肉の痛み、全身のだるさなどが急激に出現します。5歳未満のお子さんがインフルエンザウイルスに感染すると、急性脳症や肺炎などの合併症が大人に比べて多いことが知られています。
今回はお子さんのインフルエンザ予防に関して、どんなことができるかお伝えします。
予防接種はインフルエンザ予防の最善の策
インフルエンザの予防接種は言わずと知れたインフルエンザ予防の一番の対策です。予防接種をすることで、インフルエンザウイルスが体内に入った場合でも、インフルエンザを発症する可能性を低くすることができます。過去のデータから、有効率は60%程度と報告されています(有効率に関しては別の機会にご説明します)。またインフルエンザになってしまった場合でも、重症化防止に有効であるとの報告もされています。インフルエンザを発症してしまうと、小児科外来を受診したり、場合によっては入院が必要となるケースもあり保育園や幼稚園、学校を休まなくてはならず、ご両親の負担も多くなってしまいます。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)では6か月以上の全ての子どもがインフルエンザの予防接種をすることが推奨されていて、日本でも6か月の乳児期から予防接種が可能です。
6か月未満のお子さんはインフルエンザの予防接種は推奨されないため、この時期のお子さんに対する一番の予防対策は周囲の家族や知り合いが予防接種をすることです。
手洗いは感染予防の基本
インフルエンザなどのウイルス感染予防には、手洗いがとても効果があります。ぬるま湯と石鹸でしっかりとお子さんの手を洗う習慣をつけましょう。洗っている間に歌をうたったりして、ある程度の時間をかけることをこころがけるのもおすすめです。水や石鹸がない場合はアルコール消毒なども有効です。
また、手洗い前にはむやみに目、鼻、口を触らないようにさせてください。手洗い後は、タオルは一人一枚使うようにしてください。タオル共有することで感染が広がりやすくなります。
咳エチケットも大切です
インフルエンザは主にくしゃみや咳の飛沫(小さなしぶき)から感染します。
そのため周囲に熱がある方や咳などをしている人がいたら、距離をとるのも予防対策の一つです。そのような人の全員がインフルエンザにかかっているわけではありませんが、流行期には不必要な接触はしないことが懸命です。
逆にお子さんがくしゃみや咳をしている場合は、マスクなどで感染のひろがりを抑えるようこころがけましょう。マスクがない場合はティッシュや曲げた状態の肘で鼻や口を覆ってあげてください。
お子さんのインフルエンザ予防は毎年の予防接種が基本です。外出から帰宅する際は必ず手を洗い、小さなお子様であれば流行期の外出はなるべく人混みをさけましょう。
また、十分な睡眠や栄養をとり、免疫を良好な状態にしておくことはいうまでもありません。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんの感染症や予防接種に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 田中俊之)