ここが知りたい液体ミルク!災害時におすすめな理由と注意点

公開日: 2019年4月8日

最終更新日: 2025年3月31日

2019年3月にとうとう日本初の乳児用液体ミルク(以下液体ミルク)が発売されました。液体ミルクの成分は既存の粉ミルクの成分と同様なので、「調乳の必要がない粉ミルク」と言えます。災害時の備蓄用としても活用が期待されていますが、今回はその理由と注意点をお伝えします。母乳、粉ミルク、液体ミルクそれぞれの利点を理解して、上手に使い分けたいですね。

メリット(1)常温で飲める

液体ミルクは、液体ミルク容器から清潔な哺乳瓶に移して、そのまま赤ちゃんにあげることができます。

一方、粉ミルクを調乳するときは、粉ミルクを必ず70度以上のお湯で溶かしてから白湯を加える等して適温にする、という作業が必要です。粉ミルク中や調乳時にミルクに混入する可能性のあるSakazaki菌等が70度以上の高温でないと死滅しないからです。これと比較して、液体ミルクの場合は製造時に無菌化されたミルクが缶や紙パックに充填されるので、開封後常温のまま飲ませることができます。常温保存できる紙パック飲料や缶詰食品と同様ですね。

メリット(2)長期保存できて、災害時災害時に母乳育児ができない際にも有用

災害時には母乳育児が優先されますが、様々な理由でミルクが必要となることもあるでしょう。そんなときには液体ミルクが有用です。

粉ミルクは開封後1か月以内に使い切るよう推奨されていますが、液体ミルクは長期保存が可能です。液体ミルクは、容器によって保存期間が異なります。紙パックタイプは6ヶ月間、缶タイプとアルミパウチタイプは12ヶ月〜18ヶ月間保存できます。

災害時にライフラインが断絶され清潔な水が手に入らなくても、赤ちゃんの命を守ることができることから、災害備蓄用に活用が期待されています。
液体ミルクを飲ませるときは、清潔な哺乳瓶にうつす以外に専用のアタッチメントを装着したり使い捨て哺乳瓶を使用する方法があります。日常の外出時でも災害時でも、簡単に授乳することができます。

ふだんから粉ミルクをあげている人はもちろん、母乳派のお母さんも災害時に十分な量の母乳分泌を維持できるかはわかりません。いざというときのために、液体ミルクを備蓄しておくと安心ですね。

注意点:飲み残しは必ず捨てましょう

注意点として、口をつけていなくても一度開封した液体ミルクは必ず捨てる必要があることが挙げられます。菌が増殖しやすいのです。とても便利な液体ミルクですが、使用する際は気を付けましょう。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからも授乳に関わる疑問を解決するために情報を発信していきます。

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