スクリーンとの上手な付き合い方〜何歳から見せていいの?〜

公開日: 2021年5月31日

最終更新日: 2025年7月15日

テレビやタブレットなどのスクリーンが子どもによくないことは分かっているけれど、子どもが夢中になって静かになってくれるのでついつい見せてしまうことってありますよね。「生後いつ頃からテレビを見せてもいいの?」「言葉の習得のためにもテレビはいいのではないか?」といった疑問について解説します。

18ヶ月以下のお子さんにはスクリーンを見せないようにしましょう

アメリカ小児科学会の推奨によると、18ヶ月以下のお子さんは原則として、スクリーンタイム(テレビやタブレット、携帯などの画面をみる時間)はゼロにすべきとしています。例外として、遠く離れた家族などとビデオチャットをする時は良いとされています。最近の研究で、18ヶ月以下のお子さんのスクリーンタイムは、睡眠の質の低下、言語獲得の遅れと関連があることが指摘されています。また、この年齢のお子さんは、画面を見ることよりも周囲の人々と触れ合うことによって著しく脳が発達する時期です。

18ヶ月以降は節度を持って使いましょう

18ヶ月になったらスクリーンタイムを導入しても良いとされています。テレビやタブレットを置かない部屋を家族のルールとして決めることが望ましいです。特に寝室にスクリーンは置かないようにしましょう。また、食事中に見せることや就寝時間の1時間以内に見せることは避けましょう。食事中のスクリーンタイムは肥満と、就寝時間直前のスクリーンタイムは睡眠の質低下と関連があります。スクリーンはお子さんの「子守り」のためではなく、お子さんと一緒に見て遊ぶ親子の時間のために使いましょう。

教育的な番組を親子で一緒に観ましょう

日々子育てをしている親御さんには、スクリーンタイムゼロは現実的ではありませんよね。事実、生後12ヶ月のお子さんのうち92%ものお子さんが既にスクリーンタイムを始めており、最も早いお子さんで4ヶ月から始めているという研究結果があります。残念なことに理想と現実には大きな乖離があります。約2万人のお子さんを対象にした大きな研究では、スクリーンタイムの長さは言語獲得の遅れと関係があった一方で、質の高いスクリーンタイム(教育番組や親子での視聴)は言語獲得と良い関連があったとも報告されています。つまり、スクリーンタイムは単に悪いことではなく、上手に付き合えばお子さんの言語獲得に良い影響があるかもしれません。

18ヶ月以降のお子さんでは、親子で一緒に試聴したり、会話や読み聞かせを交えたりすることで、やりとりの質の高いスクリーンタイムを導入してください。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ小児科オンラインでご相談ください。

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