最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
小さなお子さんの身体のどこかに、あまり見慣れない形の違いに気づくと、とても心配になりますよね。今回はそのなかでも比較的頻度の高い、「耳瘻孔(じろうこう)」について解説します。
「形の違い」も個性のひとつ
背が低い子がいれば、高い子もいるように、子どもたちの体の特徴も千差万別です。なかには少し見慣れない顔だちや体の特徴を持つお子さんも、いらっしゃるかもしれませんが、それも個性のひとつとして受け止めてあげることがとても大切です。とは言え、健診などで「形の違い」を指摘され、心配になるのもごく自然なことです。
検査や治療、経過観察等が必要な「形の違い」もある
このような体の違いや特徴には、日常生活に支障をきたさず、医学的にも経過を観察するだけで治療や検査などが必要のないものから、直ちに手術が必要なものまで実に様々です。今回は「耳瘻孔」を例に詳しくご説明します。
「耳瘻孔(じろうこう)」は耳周囲の小さな穴
耳瘻孔(じろうこう)とは、生まれつき耳の周囲に小さな穴が開いている状態のことを指します。このような穴は、胎児の時期に耳が形作られる過程でできます。100人いれば2-3人に見られる比較的頻度が高いものです。
外から見ると小さな穴しか見えませんが、その下が袋のようになっていたり、管で耳の奥深い部分とつながっていたりすることがあります。そこから白いチーズの様な分泌物が出てきたり、ばい菌が入って感染を起こしたりすることもあるので、注意が必要です。
そのようなことがなければ、特に治療や検査は必要なく、様子を見ていて差し支えありませんが、もし感染を繰り返すような場合には、手術で取り除くこともあります。
耳瘻孔から膿が出たり周囲が赤く腫れたらすぐに受診しましょう
もし耳の周囲の穴から、前述のようなチーズのような分泌物や膿等が出てくる、周りが赤くなって腫れあがったり、痛みやかゆみがでるようなことがあれば、すみやかに医師(小児科、耳鼻咽喉科、形成外科)にご相談ください。
また、耳瘻孔以外にも複数の「形の違い」がみられる場合には、それらが互いに関連していることもあるため、小児科にご相談ください。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんの皮膚、耳に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 西澤和子)