公開日: 2023年2月13日
最終更新日: 2025年3月8日
過去に食物アレルギーがなかったのに、お好み焼きやたこ焼きを食べてじんましんや苦しくなるなどのアレルギー症状を起こした場合、「パンケーキ症候群」の可能性があります。
パンケーキ症候群は、粉の中で繁殖したダニが原因です
もともと小麦は問題なく食べていたのに、お好み焼きやたこ焼きなどを食べてアレルギー症状が出た場合、粉の中で繁殖したダニが原因であることがあります。
これをパンケーキ症候群(経口ダニアナフィラキシー)と呼びます。
日本ではお好み焼きやたこ焼きで起こったという報告が多く、少ないですがてんぷら粉が原因となった例もあります。海外ではパンケーキで症状が出た例が多いため、この名前がついています。
開封後、室温で長期間保管していた粉を使って調理したものを食べた場合に起こります。
もともとアレルギー性鼻炎や喘息があって、ダニのIgE抗体をもっている人に起こることが多いです。
症状が出た時に使った粉や食べたものは、保管しておきましょう
診断のためにまず、症状の経過やそれまでのアレルギー歴から他の食物アレルギーではないことを確認します。また、血液検査でダニのIgE抗体などを測定します。
その上で、実際に症状が出た粉と新品の粉を使って皮膚プリック検査を行います。
症状が出た粉のみで皮膚が腫れたら、パンケーキ症候群がかなり疑わしいです。粉を破棄してしまった場合は、調理済みの実際に食べた食物を検査に使うこともあります。
調理に使った粉や食べたものは原因を調べるのに役立つため保管しておきましょう。
粉の中にダニがいることを顕微鏡で確認したり、粉の中のダニアレルゲン量を測定して、ダニの存在を確認できるとより確かな診断になります。
(一般のクリニックや病院での実施は難しいので、研究機関に依頼することになります。)
普段から粉ものは早めに使い切るか、密閉して冷蔵庫で保存しましょう
小麦粉やお好み焼き粉、ホットケーキミックスなどの粉ものは、開封後はなるべく早めに使い切るようにしましょう。
お好み焼き粉はアミノ酸含有量が多いため、特にダニが繁殖しやすいことがわかっています。残りを保管する場合は、密閉して冷蔵庫で保存しましょう。
パンケーキ症候群は、アナフィラキシーショックという強いアレルギー症状を起こすこともあります。アレルギー症状が強い時は救急受診しましょう。原因の詳しい検査については、アレルギー専門医に相談してみてください。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
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