最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
新型コロナワクチンに関わらず、そもそもワクチンについて「なんとなく怖い」「本当は必要ないのではないか」などと感じたり、そのような意見を聞いたりすることがあるかもしれません。
そのように考える原因として、世界保健機関(WHO)は「3C」(参考1)、ドイツの研究チームは「5C」という概念を提唱しています。(参考2)
原因(1) ワクチンの副反応が心配
どんなワクチンにも副反応は存在します。ときに重大な副作用が報告されると、頻度はまれであっても、接種をためらう要因になります。
実際に新型コロナワクチンに対して、多くの方々が副作用を心配しているというデータも報告されています(参考2,3)。
これはWHOやドイツの報告では「Confidence」つまり「ワクチンに対する信頼・信用」といわれるものです。副反応のほかに、ワクチンの有効性や効果、製薬会社や国のシステムについての信頼も含まれます。
原因(2) 接種するのに、物理的なハードルがある
ワクチンを接種するまでには、様々なステップが存在します(予診票を準備する、病院に電話して予約する。仕事などの時間を調整する。医療機関まで移動する…など)。
こうした物理的なハードルも、接種をためらう原因の一つです。先の報告では「Convenience」や「Constraints」に該当する概念です。
原因(3) 接種しなくても大丈夫、という気持ち
接種しなくても、自分が感染しなければ大丈夫。感染しても軽症で済むなら、接種しなくても良いと思う。
こうした安心感や自己満足も、接種から遠ざかる原因になります。前述の報告では「Confidence」にまとめられる概念です。
SNSにも、ワクチンについての様々な意見があふれています。
科学的に正しい情報を探すのももちろん大切ですが、「どうして、ワクチンが怖いと思ったんだろう?」など、ご自身の気持ちの変化を振り返るきっかけになれば幸いです。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
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(小児科医 白井沙良子)
参考文献
- WHO. 2014 Nov 12. Report of the SAGE Working Group on Vaccine Hesitancy.
- Vaccine Hesitancy(ワクチン躊躇):ワクチン接種意思に与える諸要因と職場, 産業医学レビュー, Vol. 34, No.3, 2022
- 小児期・思春期世代におけるCOVID-19ワクチン接種に対する保護者の意識, 日本小児科学会誌, 第126巻第10号, 2022年
- “Vaccine Hesitancy(ワクチンをためらうこと)”を考える, Know VPD! News Letter, February 2019