最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
花粉症は花粉(スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、シラカバなど)を原因とする季節性のアレルギー性鼻炎です。花粉症の血液検査はどのような場合に行ったらよいでしょうか?
花粉症は、症状、鼻汁の好酸球、花粉のIgE抗体で診断します
花粉症は、①花粉の飛散時期に鼻汁・鼻閉・くしゃみ・目のかゆみなどの症状があること、②鼻汁の中に好酸球(白血球の仲間でアレルギーで増えるもの)があること、③花粉のIgE抗体を持っていること(血液検査や皮膚検査)、がそろうとはっきりとした診断になります。
実際には、①の症状があればアレルギーの薬を処方してもらうことは可能ですし、アレルギーの薬の効果があればさらに花粉症が疑わしいので、②③の検査をしなくても済んでいることが多いです。
原因をはっきりとさせたい場合は血液検査で抗体を調べます
症状だけではなく、検査も併せて正確に診断してほしい、という場合が検査をする理由の一つになります。花粉に対する抗体を持っているかは、血液検査や皮膚検査で調べることができます。
また、季節に関係なく鼻炎の症状があったりアレルギーの薬が効かないなど、症状歴や治療歴だけでは診断がつかない場合も検査が参考になります。ある花粉のIgE抗体の数値が上がっていれば花粉の飛散時期はその花粉が原因かもしれませんが、それ以外の時期の症状は他に原因があるかもしれません。ダニなど他のアレルゲンや他の病気の可能性もあわせて考える必要があります。
スギの舌下免疫療法を行いたい場合は、検査でスギの抗体を調べましょう
症状や時期から明らかにスギ花粉症なのにアレルギーの飲み薬や点鼻薬では症状がおさまらない場合は、舌下免疫療法という治療方法があります。
舌下免疫療法を行う場合は、血液検査または皮膚検査でスギに対するIgE抗体をもっているかを調べて、はっきりとスギ花粉症であることの診断を受ける必要があります。
(“スギ・ダニアレルギーの舌下免疫療法ってどんな治療?“を参考にしてください)
果物で口がかゆくなる場合は、花粉と関連したアレルギーの可能性があります
シラカンバ、ハンノキ、イネ科などの花粉のIgE抗体をもっていると果物(リンゴ、桃、サクランボなど)を食べて口の中がかゆくなったり、腫れたりすることがあります。
果物そのもののアレルギーなのか、花粉の抗体が影響したアレルギーなのか、などについて血液検査でIgE抗体を調べることができます。
(“花粉症をきっかけに発症する食物アレルギー「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」”も参考にしてください)
アレルギーの診断は、症状の経過が最も重要です。アレルギーを疑う症状がある場合は、詳しい経過を医師に伝え、検査の必要性について相談しましょう
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんのアレルギーに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 小笠原久子)