なんでいつも「めやに」が出ているの?その原因と対処法

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

書いた人

太田 みのり

小児科医

 

清潔にしていてもすぐにめやにが出る、めやにが多くて目が開かない、いつも片方の目だけめやにが出るのはなぜ?悩む保護者の方は多いと思います。今回は赤ちゃんのめやにの原因と対処法をまとめました。

赤ちゃんのめやにの原因は?

眼脂(がんし、めやにとも読みます)は目(の角膜・結膜)からの分泌物です。ウイルス・細菌の感染や、ゴミやまつげの先などの物理的な刺激を受けることで生じます。

通常、涙は上まぶたの奥にある涙腺(るいせん)から分泌されて、目の表面をうるおした後、大部分の涙は目頭にある涙点(るいてん)から吸収され、涙囊(るいのう)や鼻涙管(びるいかん)などからなる涙道(るいどう)と呼ばれる管を通過して鼻の奥へ排泄されます。眼脂も同じようにして排泄されます。この排泄がうまくいかないときや、涙や眼脂が大量に分泌されると、めやにが目立つようになります。

生後2~3か月の赤ちゃんの眼脂の原因として多いものは、先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく、睫毛内反(しょうもうないはん、いわゆる逆さまつげ)、結膜炎、角結膜異物・外傷の4つです。今回はこのなかで先天性鼻涙管閉塞と睫毛内反(逆さまつげ)について説明します。

めやにの原因1:先天性鼻涙管閉塞

生まれつき涙の通り道である鼻涙管が閉じたままとなっていることで、涙や眼脂の排泄がとどこおり、めやにや流涙(りゅうるい、涙がで続けること)が増えます。新生児の6~20%にみられる頻度の高い病気です。生後まもなくから眼脂や流涙が目立ちますが、結膜(白目の部分)の充血はないことが特徴です。
まぶたや涙嚢(るいのう)と呼ばれる目頭にある涙の通り道に炎症を起こすことがなければ、無治療で経過観察を行います。

この病気は1歳までに90%前後が自然治癒すると言われています。めやにを清浄綿でやさしく拭って清潔に保つことが大切です。

涙嚢炎(るいのうえん)などの症状を合併する場合や生後6か月を過ぎてもめやにや流涙が改善しない場合は、涙道ブジー(閉塞した涙道を開通させる処置)を行います。

目の周りに赤みが出たり、白目が赤くなるときには、眼科を受診しましょう。

めやにの原因2:睫毛内反(逆さまつげ)

下まつげ(特に鼻側)が目の角膜や結膜に触れることで刺激となり、流涙(りゅうるい)と眼脂を引き起こします。乳児は、鼻の付け根が低くお顔の肉付きも良いため、下まつげが上を向きやすく刺激になってしまいます。

成長とともに、下まぶた周囲の皮膚が下方に引っ張られるため、まつげが外を向くようになり、自然治癒することが多いと言われています。それまでは経過観察を行いながら、必要に応じて角膜を保護するための点眼や抗菌薬の点眼を行います。

常に目をこすったり、まぶしがる症状がある場合や、3歳を過ぎても自然治癒しない場合は手術を行うこともあります。

 

今回はめやにの原因と対処法について説明しました。結膜炎や外傷が原因となることもあるため、眼周囲の皮膚や白目の部分に赤みを伴う場合は、小児科か眼科を受診しましょう。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 太田みのり

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