最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
中長期的に日常生活で自粛が必要となってしまったため、お子さんも普段の運動ができなくなってしまったかと思います。そのせいで生活のリズムもいつもより不規則になってはいないでしょうか?
今回は特に学童期のお子さん(6歳〜12歳)の成長にとって大事な「運動」に関してお伝えします。
コロナ禍以前より子どもの運動習慣は減っています
コロナ禍以前より、子ども(特に学童期)の運動習慣が減ってきていることは様々なところで報告されています。高学年になると運動時間がさらに減少してしまう傾向も見られています。ある集団の6歳時点と11歳時点の運動時間を比較すると、11歳時点では1日75分程度減っていることが報告されています。
また、単純な運動時間の減少だけでなく、運動の強度も減少していることが指摘されています。
遊びや生活様式の変化に伴い、子どもの運動時間が減ってきていることは当然の事かもしれませんが、そんな時こそ今一度運動の大切さを思い出してもらえればと思います。
学童期の運動習慣が将来にも影響する可能性があります
学童期の運動は体力をつけるためだけではなく、良質な筋肉や骨の発達、運動能力の向上、脂肪の減少、精神的にも良い影響を与える(抑うつや不安の改善)ことが知られています。
また学童期の子どもの運動習慣は大人になってからの体力や身体活動を左右する可能性があるという報告もあり、米国小児科学会では6才以上のお子さんには1日60分以上の運動を推奨しています。
少しの工夫で自宅でも運動できます
子どもの運動は大きく2つのタイプに分けられます。
有酸素運動:早歩き、サイクリング、ダンス、ローラーブレード、スケートボード、縄跳び、ランニング、サッカー、水泳、テニスなど
筋肉や骨を鍛える運動:腕立て、腹筋、鉄棒、ブランコ、ロープクライミング、縄跳びなど
どちらのタイプの運動も、子どもの成長には欠かせません。
こんな時期ですが、工夫をすれば自宅でもできる運動はたくさんあります。オンライン動画やサービスを上手に利用いただいて、お子さんの運動を少しでも増やしていただければと思います。
参考までに、家庭でも楽しく行えるスポーツや運動を紹介している、スポーツ庁の「子供の運動あそび応援サイト」のリンクをご案内します。
体を動かすことで、食欲も増え、しっかりとした睡眠もとれ、バランスの良い生活が送れるかと思います。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんの成長、発達、健康に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 田中俊之)