最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
「黄色いカサブタのようなものが頭にある、これなに?」「カサブタを取るにはどうしたらいい?」などのご質問を受けることがよくあります。このような湿疹は、赤ちゃんによくみられる「脂漏性湿疹」の可能性が高いです。本記事では脂漏性湿疹の原因や特徴、おうちでできること、受診の目安についてお話します。
脂漏性湿疹の原因は、皮脂の分泌の増加
脂漏性湿疹は生後1-2週間頃から3-4か月頃によく見られます。赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいた時に受け取ったホルモンの影響で皮脂腺の活動が活発になり、皮脂の分泌が増加することで起こると言われています。赤ちゃんの皮膚は刺激に弱いため、外部からの刺激や皮膚にいる常在菌がさらにその皮脂を変化させて炎症を起こしてしまうことがあります。
脂漏性湿疹の特徴は、「湿疹の様子」と「湿疹ができる場所」にあります。湿疹の様子は、名前の通り最初は脂っぽくじくじくとした赤みのある湿疹が現れます。その後、黄白色のがさがさとなり、かさぶたのように皮膚がはがれてきます。かゆみがないお子さんが多く、あっても軽度です。
湿疹ができる場所は、頭皮や眉間・額の周辺がとても多いです。鼻や頬、耳の中や後ろなども皮脂の分泌が活発なので、湿疹ができることが多いです。時には胸やわき・背中にできるお子さんもいます。
ほとんどのお子さんが自宅のケアで良くなります
生後3か月くらいからは皮脂腺が減っていくので、ほとんどのお子さんが自宅のケアで自然に良くなります。
沐浴やお風呂に入る前に、がさがさした部分にオリーブオイル、ワセリン、亜鉛華軟膏などを多めにしっかり塗ってから、入浴時に石鹸を用いてやさしく洗いましょう。がさがさした皮膚がやわらかくなり、簡単に取れるようでしたら、そのまま洗いながら取ってあげてください。すぐには良くならないので、1週間くらいは根気よく継続してみてください。洗った後はしっかり保湿をしましょう。保湿の仕方は過去のジャーナルもご参考にしてくださいね。
1週間自宅でケアしても良くならなければ小児科を受診しましょう
・上記の自宅でのケアを1週間行っても湿疹が更に悪化する
・湿疹から黄色い分泌液がどんどん出てくる
・お子さんが掻いて出血してしまう
・全身に広がっている
これらのいずれかの場合は、保湿剤以外の塗り薬を使用して治療する必要があるかもしれませんので、小児科の受診をお願いします。また生後3か月を過ぎてもこのような状態をくり返す場合は、他の病気の可能性もあるので、受診し相談してみてください。
脂漏性湿疹は、どんな赤ちゃんでも起こる可能性があり、必ず良くなります。焦らず対処してみてくださいね。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんの皮膚・発疹に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 及川奈央)