新生児のおへそのケア〜いつ取れる?消毒は必要?〜

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

赤ちゃんは、お母さんのお腹の中でへその緒を介してたっぷり栄養をもらって育ち生まれてきます。へその緒がついていたおへそは、お母さんと赤ちゃんが繋がっていた証。それはとても神聖な場所ですが、ケアをするには少しだけこわい場所でもあります。

そんな大切なおへその正しいケアの方法を解説します。

おへそは乾燥させましょう

おへそのケアで大切なのは乾燥です。沐浴の後は、綿棒などでしっかりおへその中の水分を吸い取り、乾燥させましょう。

まだ取れていないおへそは、黒っぽく血液が固まったような色をしていたり、根元がなんとなくしっとりしていたりして、傷口のようで触るのが少しだけこわい気持ちになるかもしれません。

でも、大丈夫です。赤ちゃんにとっては取れるべきものの場所であり、痛くもなんともありません。しみることもありません。おへそをいじられると少しくすぐったいかな、くらいの感覚です。

おへそが湿っていると臭ってきたり、悪い細菌がつきやすくなってしまいますので、躊躇せずしっかりひだの間の水分を拭き取ってあげてくださいね。

乾燥させることによって、早くおへそが取れる効果があります。

おへそは1〜2週間で自然に取れることが多いです

通常おへそは1〜2週間で自然に取れますが、うまく乾燥すると産科病院退院前に取れることもあります。しかし、あまりにもケアを慎重に行っていると、まれに1ヶ月健診でもまだ取れていないお子さんにも出会います。また、早産児はおへそが取れるのが遅くなる傾向があります。

おへそが取れるのが遅くなるのは感染のリスクにもなりますので、こわがらずにひだの間まで乾燥させる処置を頑張ってみましょう。

おへその消毒は不要という考え方もあります

多くの病院では、おへその消毒を指導されますが、消毒が不要という考え方もあります。

昔から日本の多くの病院で、様々な種類の消毒薬が使用されてきました。アルコールやその他の消毒薬を小瓶に分けて渡され、綿棒で消毒するように指導されたり、市販の有名な消毒薬を購入するように指導されるなどしてきました。

一方で、おへそのケアは国の医療水準や衛生環境、文化的慣習の影響を受けることもあります。日本でもおへその消毒について様々な研究が行われてきましたが、標準化した最適な方法はまだ確立されていません。おへそは乾燥させるほうが良く、おへそが取れるのはあまり遅くならないほうが良いということはわかってきています。

おへその消毒は、おへそが取れるまでの期間を延長させてしまうので、あえておへその消毒を指導しない病院も増えてきました。

お子さんの生まれた病院はどんなやり方をしていましたでしょうか?

おへその周りが赤くなり熱も出てきたら、早めに小児科を受診してください

おへそが取れた後、おへその中に赤く盛り上がった丸いいぼのようなものができたり、そこがじゅくじゅくしたり、出血したりすることがあります。これは臍肉芽腫(さいにくげしゅ)という状態で比較的よく起こります。切除や硝酸銀による焼灼などの簡単な治療処置で改善しますので、小児科の受診を検討してみてください。

最後に、とてもまれなことですが、おへその周りが赤くなってきて熱も出てきたら、おへそから悪い細菌が感染した臍炎(さいえん)の可能性があります。その際は早めに小児科を受診してくださいね。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 梶原久美子

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