赤ちゃんの舌が白くなる原因の一つ鵞口瘡(がこうそう)とは

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

赤ちゃんのお口の中を見て、舌が白っぽいことはありませんか?拭いてすぐにとれるミルクかすとは違って拭いてもなかなかとれないような時は、カンジダ菌というカビが増殖しているのかもしれません。

赤ちゃんは鵞口瘡(がこうそう)になりやすい

新生児や乳児は、免疫機能が未熟なため、感染症を起こしやすい状態です。

どのお子さんの口の中にも鵞口瘡の原因菌となるカンジダ菌は生息しているものですが、通常は増えすぎることなく他の菌とバランスを保っています。

しかし、このバランスは崩れやすいため、カンジダ菌が口の中で異常に繁殖してしまうと、舌や口の中の粘膜に白いミルクかすのように見える鵞口瘡となります。

赤ちゃんだけでなく、何らかの感染症の治療のために抗生物質を長期間使用しているお子さんや免疫不全状態のお子さんにも見られることがあります。

鵞口瘡の場合は、軽く拭ってもとれないので、舌が白いときには、ガーゼで拭ってみると、ミルクかすとの区別がつきます。

また鵞口瘡は一般的に痛みはなく、哺乳にも問題ありません。

鵞口瘡を防ぐためには哺乳瓶や乳首の消毒が大切です

哺乳瓶や哺乳瓶の乳首はしっかりと消毒し清潔な状態で使いましょう。また、母乳を飲ませる前に公共施設であるプールや温泉に入ったときや、乳首にパッドの繊維がついているときには清浄綿で拭いてから飲ませましょう。ミルクや母乳は栄養たっぷりなので、カンジダ菌も含め雑菌が繁殖しやすいのです。生後半年くらいまでは専用の洗剤で洗い、煮沸や消毒用薬剤を使用して消毒することが必要です。

また、舌の白さが気になるときには濡らしたガーゼでこまめに優しく拭ってあげ、口の中を清潔に保ちましょう。

この際、取れないからと言って強くこすると出血してしまうので、取れるまで拭う必要はありません。

鵞口瘡に治療は必要ありません

通常、鵞口瘡となっても痛みはなく哺乳もできるので、赤ちゃんにとって害はなく治療は必要ありません。成長とともに自然によくなることがほとんどです。

まれなケースですが、炎症が強くなり赤みが出て、痛みで哺乳ができないようなときには治療を行います。

カビに対する塗り薬や内服薬を使用することもありますので、舌の白い部分がどんどん分厚くなるときや広がって授乳を嫌がるようなときには小児科でご相談ください。

また、何度もくり返すような場合は免疫状態の確認が必要になることもありますので、一度小児科で相談されることをすすめます。

鵞口瘡は新生児期に多いので、気になるときには1か月健診で見てもらうと安心です。気軽に相談してみてくださいね。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの口腔、感染症に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 竹下淳子

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