コロナ禍での感染予防〜基本の手洗いとアルコール消毒〜

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

新型コロナウイルス感染症により日常が変化しましたが、いつの時代も感染症対策が大切なことに変わりはありません。

今回は、感染症対策の基本である手洗いと、消毒用アルコールをご紹介します。

手洗いは石鹸と流水で30秒以上

新型コロナウイルスや一般的な風邪ウイルスに対する感染予防は、マスクの使用や咳エチケットと共に、正しい手洗いが基本です。

石鹸と流水で合計30秒以上、「ハッピーバースディ」の曲を2回歌うくらいの時間、しっかりと手を洗い流しましょう。石鹸で10秒洗い、流水で15秒流すと、手に付着した約100万個のウイルスは約数百個(0.01%)に減り、2回くり返すことでウイルスは約数個(0.0001%)にまで減ると言われています。目に見える汚れがあれば、なおさら水で洗い流すことが重要です。

汚れが残りやすい指先もよく洗いましょう。

消毒用アルコールは根元までしっかり押し込んで1プッシュ手に取ります

水がない時にはアルコール消毒が手軽です。

スプレータイプとゲルタイプのどちらでも効果は同じです。

プッシュするボトルのスプレータイプでは、根本までしっかり押し込んで1プッシュ、ゲルタイプでは2プッシュ程度(ゲルタイプは1プッシュで出る量が少ないことが多いです)手に取り、15-30秒手にすり込みましょう。その際、水で手が濡れていると濃度が薄くなりますし、すぐペーパータオルなどで拭いてしまっても効果が下がってしまいます。

手が荒れやすいので、使用後は保湿を心がけると良いですね。

アルコールでかぶれてしまう人もいますので、他の人に強要しないよう配慮しましょう。

消毒用アルコールの濃度は80vol%前後が推奨です

消毒薬アルコールはたくさんの種類があって、どれがいいか悩みますよね。
通常使用する消毒用アルコールは70〜95vol%が良いとされています。

手に入りにくい時は60vol%でもよく、エタノール以外の成分を合わせるなどで50vol%以下でもよい場合もあります。

アルコールは引火性が高いため、コンロの火をつけたまま台所周りを拭いたり、空間にスプレーしたりすると火事の危険があります。また、車の中は時に高温になりますので、お出かけ用にと車内に置いたままにしないようにしましょう。

アルコール除菌シートはうっかり舐めた程度であればほとんど問題ありません

「子どもがアルコール除菌シートを食べてしまいました」という相談を寄せられることもあります。もちろん、子どもの手の届かないところに置いておくことが大切ですが、少し口にした程度だったら大丈夫です。

エタノールの主な原料は糖質とデンプンであり、揮発性も高いので、アルコール除菌シートやスプレーした部分を舐めた程度はほとんど問題ありません。

しかし、子どもがアルコールをひと口以上飲むと急性アルコール中毒の症状が出ることがあります。

呼びかけに対する応答が鈍くなったり、歩行がフラつく、うとうとする、体温が下がる、呼吸の回数が減るなどの症状に注意して、万一ひと口以上飲んだ場合は病院受診をおすすめしします。

 

正しい知識を持ち、安心して健やかな毎日を過ごしましょうね。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの感染症に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 金澤結

SNSでシェア