最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
「揺さぶられっ子症候群」という言葉を聞いたことがありますか?名前の通り、お子さんの頭が激しく揺さぶられて起こる症状のことです。そう聞くと、普段の生活の中でどの程度の揺れ方なら安全なのか、心配な親御さんは多いと思います。今回は揺さぶられっ子症候群について解説します。
揺さぶられっ子症候群では、頭と目の奥(眼底)に出血が起こります
揺さぶられっ子症候群では、お子さんの頭が激しく前後に揺れることにより、脳や目の奥に出血が起こります。お子さんは頭が大きく、首の筋肉が未発達であるため、元々頭を支えることが大変です。そのため、頭が揺れた際に大人に比べて大きな力が頭にかかってしまいます。
2歳以下、なかでもまだ首がすわっていない生後6か月未満のお子さんは特に注意が必要です。
「連続した」揺らし方には要注意!
普段のあやし方が心配になってしまう親御さんもいるかもしれませんが、普通のあやし方では揺さぶられっ子症候群になることはありません。
以下のような揺らし方は、揺さぶられっ子症候群を引き起こす可能性があるため注意しましょう。
・1秒間に3-4回以上連続して揺らす
・頭が前後にガクンガクンと揺れる(顎が胸につくくらいの強さ)
・高い高いの遊びで、空中にお子さんを投げる
・サイズが合っていないチャイルドシートに乗せて、舗装されていない道を長時間移動する
上記のように、頭に連続した強い揺れが加わる場合は要注意です。
普段と様子が違うと感じたら病院を受診しましょう
揺さぶられっこ症候群では、脳と目の奥(眼底)に出血が起こることが多いです。下記の症状が見られた場合は、出血しているサインの可能性がありますので、早めに医療機関を受診してください。
・ボーッとしている、目線が合わない、ぐったりしている
・起こしてもすぐにウトウト寝てしまう(傾眠)
・母乳、ミルク、食事が普段通り飲めない、食べられない
・くり返し嘔吐する
・手足を動かさない、またはぴんと突っ張って力が入っている
・けいれんする
お子さんと接する際に、なかなか泣き止まなかったり、言うことを聞いてくれなかったりすると、つい衝動的に接したくなることがあるかもしれません。
そのような場合には、他の家族に交代したり、お子さんの安全を確認した上でその場から少し離れたり、周囲の人に気持ちを吐き出したりして一度気持ちを落ち着かせましょう。
どう対応していいのか分からなくてお困りの際は、小児科オンラインでも相談することができますので、是非ご活用ください。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんの事故、外傷、脳・神経に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 相澤彩乃)