最終更新日: 2024年4月15日 by syounikaonline
夜遅くまで起きている幼児が増えていることをご存知ですか?2000年の調査によると、22時以降に寝るこどもは、1歳児の54.3%、2歳児の59.2%、3歳児の51.8%、4歳児の38.6%、5~6歳児の39.6%と、いずれの年齢においても、その割合は2000年以前よりも著しく増えています。
日本では「早寝、早起き」という言葉がありますが、早く寝ないと何か影響があるのでしょうか?また、早く寝るための対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
実はたくさんある!夜遅くに寝ることの悪影響
・ 身長が伸びにくくなる
夜更かしは、成長ホルモンの分泌が悪くなり、身長に悪影響です。
・ 肥満、糖尿病につながる
眠気により十分な朝食をとれず、肥満や糖尿病につながるという報告があります。
・発達が遅れる
発達にも影響するという報告が複数出ています。例えば、5歳児で三角形を描けないこどもたちに、就寝時刻が遅く不規則な就床習慣のこどもが多かったそうです。
・行動への悪影響
不活発、多動、怒りっぽさ、注意力の減退などが報告されています。
・うつ病や睡眠障害のリスク
朝型の生活では、うつ病や睡眠障害のリスクが低いことが知られています。
・保護者の睡眠不足
早く寝るためにできる対策5つ
早く寝た方が良いのは分かっていても、実現するのはなかなか難しいかもしれません。具体的な対策を5つ紹介します。
(1)入浴は早い時間に!
体温が高いと入眠できません。入浴が、就寝前にならないように、食事前に入浴するのがおすすめです。
(2)オレンジ色の照明を使用する
ブルーライトを多く含む白色の照明よりも、暗いオレンジ色の方が、睡眠への影響が出にくいです。
(3)寝る前は、興奮が高まる遊びなどを避ける
寝る前に興奮が高まる遊びなどをすると、寝つきにくくなってしまいます。
(4)昼寝を長くし過ぎない(保育園との連携)
必要以上の昼寝は夜更かしを助長することもあったため、現在は、保育所保育指針でも「睡眠時間は子どもの発達の状況や個人差によって差があることから、一律とならないよう配慮すること」とされています。
(5)寝る前のテレビやタブレット使用を控える
夜の光は、睡眠のリズムを遅らせてしまいます。さらに、子どもは大人よりも光の影響を受けやすいのです。
いくつか早寝対策をあげましたが、その他で「日中の十分な活動」などは、既に試みているご家庭も多いかもしれませんね。
ご紹介した対策の中に、まだ試していない方法がありましたら、ぜひトライしてみてください。
最後に、睡眠は個人差が大きいです。そして、さらに各家庭ごとの生活リズムもあります。
それぞれのご家庭や子どもに合った、睡眠のリズムを確立できるといいですね。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからも子育てに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 新居麻貴)