双子ちゃん、三つ子ちゃんのママ・パパへー退院時の心構え編ー

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

双子・三つ子ちゃんの妊娠がわかった時、1人を育てることと何が違うのだろう?とインターネットで調べたり、本屋に行ったりしませんでしたか?双子・三つ子育児に関する書籍・情報は限られており、必ずしも一般的な育児書に書かれていることが当てはまるとは限りません。これから双子・三つ子育児に取り組む親御さんに知っておいてもらいたいことを、双子のパパ小児科医がアドバイスします。

完璧な家事・育児は不可能です

生まれた時には「一生懸命頑張ろう」と思っていた双子・三つ子育児。それでも、子育ての日常に疲れてくることは紛れもない事実です。1人のお子さんを育てている家庭に比べれば、絶対に大変なことは多いです。育児のポイントは、いかに親御さんが楽をし、休憩する時間を作ることができるかです。

生まれて数ヶ月のお子さんは、安全なところで寝起きし、お腹が空いた時に母乳・ミルクが与えられ、おむつが適切に変えられていれば、元気に成長してくれます。

完全母乳でなくても大丈夫です。毎日お風呂に入らなくても病気になることはありません。おむつを頻回に変えることができない日だってあるでしょう。吐き戻しが服についても、親御さんが疲れ果てて着替えさせないことだってあるかもしれません。どれも双子・三つ子育児には日常的に起こることです。

また、双子・三つ子育児をしながら、”完璧な家事”をすることは不可能です。洗濯物が溜まったり、部屋の掃除が後回しになったり、大人の食事が簡素になったりすることは普通です。親御さんは2人・3人の子供を同時に生かしているだけで素晴らしいことをなさっています。それ以外のことに時間が割けないことは当然のことです。

受けられるだけの支援を受けましょう

双子・三つ子妊娠と聞いた時、嬉しい反面、予想していなかった事態に戸惑いを覚えませんでしたか?

・多胎妊娠(高リスク妊娠)のお母さんの体に対する不安

・子どもたちが健康に生まれてくれるかという不安

・産後、同時に2人/3人の赤ちゃんを育てられるかという不安

・家族が1人増える前提で貯蓄してきたのに、一気に2人(3人)増えることによる経済的な不安

他にも、双子・三つ子特有の悩みがあると思います。まだまだ支援の輪は十分ではないものの、自治体ごとに経済的・人的支援をしてくれるサービスが増えています。ご自身の自治体でどのようなサービスが受けられるか検索してみてください。助産院が割引価格でお子さんを預かってくれるサービスや、無料で新生児用の服を提供してくれるサービス、家事のお手伝いをしてくれるサービスなど、調べてみると実は色々あります。双子・三つ子育児では支援を受けることは恥ずかしいことではなく、当然のことです。

祖父母の助けを借りられると理想的ですが、遠方にお住まいであったり、祖父母の健康上の理由があったり、家族関係がうまくいっていなかったりと、必ずしも助けを借りられるとは限りません。地域のサービスを積極的に探し、受けられるだけのサービスを受けることが母子・ご家族の健康のためにお勧めです。

双子の妊娠については、産婦人科オンラインジャーナルの

双子を妊娠したらどうなるの?(1)〜胎児への影響
双子を妊娠したらどうなるの?(2)〜母体に対する妊娠後期の影響

も参考になさってください。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからも子育てに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 高城大治

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