最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
赤ちゃんの頭のてっぺんには、『大泉門(だいせんもん)』という、頭蓋骨の隙間があり、柔らかくぷよぷよしています。『大泉門』について、ご紹介します。
大泉門ってそもそも何?
赤ちゃんの頭の骨(頭蓋骨)は7つの骨からできています。生まれたての赤ちゃんは、頭蓋骨の間に隙間が空いています。これは、出生時に産道を通るため、また脳が成長するため、とされています。(1)
頭蓋骨の隙間のうち、前頭部のひし形の大きな隙間を『大泉門』、後頭部の三角形の小さな隙間を『小泉門(しょうせんもん)』と呼びます。
大泉門の大きさは平均2.1cmで(2)、成長とともに小さくなり、1-2歳(平均18か月)に閉鎖します。閉鎖時期は個人差があります。小泉門は比較的個人差は少なく、生後2-3か月までに閉鎖することが一般的です。(3)
大泉門がぺこぺこと拍動していても大丈夫
大泉門は通常わずかに陥没し、心臓にあわせて拍動しています。なのでペコペコと拍動していても心配はありません。(1)(4)
大泉門は脳の圧(頭蓋内圧)を反映します。
・膨らんでいる場合 (大泉門膨隆)
正常でも泣いている時に膨隆することもありますが、水頭症、頭蓋内出血、脳腫瘍、髄膜炎などの感染症、などの緊急性の高い疾患が疑われます。
・凹んでいる場合 (大泉門陥没)
重度の脱水が疑われます。
大泉門の変化に加えて以下のような症状があれば病院を受診しましょう
以下のような症状がある場合には、病院へ受診しましょう。(1)
大泉門膨隆に加えて、嘔吐、痙攣、発熱、赤ちゃんのぐったり感などがあれば、すぐに病院を受診してください。
大泉門陥没に加えて、嘔吐下痢などの症状、哺乳量・哺乳力が少ない、尿が少ない場合は、病院を受診してください。
<参考文献>
(1)周産期医学49巻4号(4月増大号), 東京医学社, 2019, p.332-333
(2)D’Antoni AV, et al. A comprehensive review of the anterior fontanelle: embryology, anatomy, and clinical considerations. Childs Nerv Syst. 2017 Jun;33(6):909-914.
(3)周産期医学52巻10号(10月号), 東京医学社, :,2022, p.1325-1329
(4)ブレインナーシング 37巻 3号, メディカ出版, 2021,p.336
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(小児科医 池田奈帆)