子どもが水腎症と言われました。どうしたらいい?

書いた人

才田 謙

小児科医

生まれた直後の赤ちゃん、あるいは妊娠中に「水腎症」を指摘されることがあります。何に気をつけたらいいのか、そもそも水腎症とはどんな病気なのか、以下の説明が参考になれば幸いです。

水腎症ってどんな病気?

水腎症とは、腎臓で作られた尿が、尿管や腎盂に貯まって拡張する疾患です。この状態は主に先天的な要因(生まれつきの原因)によって引き起こされますが、多くは問題がないか、あるいは治療が可能です。妊娠中におこなわれる産科のエコー検査で、赤ちゃんの水腎症に気づかれることがあります。

水腎症の経過と予後について

水腎症の重症度は、腎盂の拡張の程度によってグレード1~4に分けられ、経過と予後は原因や重症度によって異なります。多くの場合はグレード1~2の軽度の水腎症で、自然に治る可能性が高いですが、重症の場合は腎機能が損なわれるリスクもあり、手術などの外科的治療も考慮されます。

グレード3~4の重度の場合は、妊娠中のエコー検査で気づかれることが多いですが、水腎症が生まれてから進行し、尿路感染症などをきっかけに気づかれることもあります。(「赤ちゃんの尿路感染症ってなに?!」も参照ください)

水腎症では何に気をつけたらいいの?

妊娠中あるいは生まれてから水腎症が発見された場合、症状がみられなくても、腎臓の機能を維持するために定期的な検査が必要です。また、咳や鼻水などのいわゆる風邪症状がないのに高熱が持続する場合には、尿路感染症の可能性を考えることも大切です。尿路感染症を繰り返す場合には、日常的な感染症予防が必要になることがあります。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの腎臓に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 才田 謙

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