最終更新日: 2025年3月7日
お肌のトラブルで受診すると、ステロイドの塗り薬を処方されたことがある方は多いのではないでしょうか。
ステロイドの塗り薬は広く使われているお薬ですが、一方で、強いお薬なのではないか、副作用が心配、という声もよく耳にします。
本記事ではステロイドの塗り薬について、ランクや強さをご紹介します。
ステロイドは「炎症をおさえる」ための薬

ステロイドの塗り薬は、皮膚の炎症を抑える作用があります。
湿疹やアトピー性皮膚炎など、皮膚の炎症を伴う疾患の治療に有効です。
1952年にステロイドの塗り薬が世界で初めて開発されて以来数十年、皮膚の炎症を抑える薬の第一選択として使われています。
症状に応じて、ステロイドの強さを使い分けます

ステロイドの塗り薬は、種類によって強さが異なります。そしてお肌の症状の強さに応じて、ステロイドの強さを使い分けます。
日本では作用が強いものから順に、ストロンゲスト(Ⅰ群)、ベリーストロング(Ⅱ群)、ストロング(Ⅲ群)、ミディアム(Ⅳ群)、ウィーク(Ⅴ群)の五段階に分類されています。
【具体的なステロイドの名称(一例)】
・ストロンゲスト(Ⅰ群):デルモベート、ダイアコートなど
・ベリーストロング(Ⅱ群):フルメタ、アンテベート、トプシム、マイザー、ネリゾナなど
・ストロング(Ⅲ群):メサデルム、ボアラ、リンデロンV、フルコートなど
・ミディアム(Ⅳ群):リドメックス、アルメタ、キンダベート、ロコイドなど
・ウィーク(Ⅴ群):プレドニゾロン
子どもでも、お肌の症状が強ければベリーストロング(Ⅱ群)などを使うことが推奨されています

お子さんでも、使うべきステロイドの強さは、肌トラブルの重症度によって決めます。年齢によって、このランクは使ってはいけない、という決まりはありません。
たとえばひどい炎症がある場合には、初めはお子さんでもベリーストロング(Ⅱ群)を使用することもあります。
また一人の患者さんでも、部位によりランクの異なるステロイドを使い分けます。たとえばお顔や首、陰部など皮膚が薄い部位にはミディアム(Ⅳ群)のものを、手足など皮膚が厚い部位には強めのものを使用します。
治療の目的は炎症をしっかりとおさえることですから、そのためには必要な強さと量を必要な期間、適切に使用することが大切です。しかし、強いランクのお薬を長期間使うことは副作用のリスクを伴います。特に乳幼児や小児では短期間で炎症を抑えることができるケースが多いので、一度症状がおさまったらランクを落としたり、塗る頻度を減らしたり、ステロイド以外のお薬に変更していきます。
湿疹やアトピー性皮膚炎を早く治したい場合には、適切な治療を行うことが近道です。
ステロイドは適切に使えば、速やかにお肌のトラブルを改善することができます。病院で相談しながら必要な治療をしっかり行い、短期間で皮膚を良い状態にし、その後維持できると良いですね。ステロイドの軟膏やクリーム、ローションの使い分けなどについては「ステロイドのぬり薬、あまり知られていない3つのポイント」もご覧ください。
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