ステロイドのぬり薬、あまり知られていない3つのポイント

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

湿疹やアトピー性皮膚炎でよく処方されるステロイドのぬり薬ですが、「〇〇ローションは頭に」「△△クリームは顔に」「□□軟膏は体に」などと指示され、「なんでこんなにいろいろあるの?」「全部ローションならぬりやすいのに」などと思われたことはありませんか?もちろんちゃんと理由があって使い分けられています。今回はステロイドのぬり薬について整理してみましょう。

1. 症状にあった強さのステロイドのぬり薬を使うこと

ステロイドとは、私たちの体内で作られているホルモンです。ステロイドのぬり薬は、湿疹・かゆみの原因である皮膚の炎症を抑えるのに効果的で、安全性も高く、アトピー性皮膚炎の標準的な治療です。そのぬり薬は、強いものから順にⅠ群〜Ⅴ群の5段階に分類されています。症状の強さや体の部位によってちょうどいい強さのステロイドのぬり薬を使用することが重要です。弱すぎるぬり薬を使用してもしつこい湿疹には太刀打ちできません。

2. 体の部位ごとに適切なステロイドのぬり薬を使うこと

%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%ad%e3%82%a4%e3%83%88%e3%82%9907私たちの皮膚の厚さは体の部位ごとに違います。顔と足の裏の皮膚の厚さを想像してみれば、当然ですよね。ステロイドのぬり薬は、薄い皮膚にはよく効き、厚い皮膚には効きにくい傾向があります。全身事細かにぬり分けるのは現実的ではないので、重要なポイントは「顔は皮膚が薄めで薬が効きやすい」「その他の体は皮膚が厚めで薬が効きにくい(陰部だけは皮膚が薄く薬が効きやすい)」と整理しておきましょう。

3. 同じ名前の薬でもひどい湿疹には軟膏、伸ばしにくい部分にはローションを使うこと

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同じ名前のぬり薬でも、軟膏、クリーム、ローションとタイプが違う薬を処方されたことはありませんか?

軟膏はワセリンなどの油がベースなので、べとつきがありますが、長時間の保湿性に優れ、刺激性が少ないことが特徴です。

クリームは水と油を界面活性剤で混ぜたものなので、軟膏よりも水分が入っている分だけのびがよく、ベタつきは少ないです。しかしその分刺激性は少し強く、じゅくじゅくした皮膚やかきむしられた皮膚にはしみて痛みが生じることがあります。

ローションのベースは水が中心なのでベタつきはほとんどなく使い心地は良いのですが、保湿効果は長続きしません。

ひどい湿疹には軟膏が最適ですし、頭皮など薬をのばしにくい部分にはローションの方がいいでしょう。

湿疹、アトピー性皮膚炎に関しては下の記事も参考になさってください。

すぐできる!子どもの湿疹が良くならないときに試すべき3つのこと

正しくぬろう!アトピー性皮膚炎の軟膏

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 安藤友久

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