最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
学校に行かない、行くけど遅刻や早退ばかり、保健室には行けるけど教室には行けないなど、「きちんと」学校に行けない子どもは数多くいます。学校に行かない理由は子どもによって様々。今日はそんな「不登校」について状況を整理するためのお話をします。
1. 不登校とは登校できると見なされる状況の子どもが学校に行けないこと
そもそも、不登校とはなんでしょう?病気の治療のために長期間学校を休んだり、何日か学校をサボって遊んでいるのは、不登校とは言いません。
文部科学省の定義によると、不登校とは「学校を年間30日以上欠席した児童生徒のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし、「病気」や「経済的理由」による者を除く)とあります。つまり、登校「できる」とみなされる状況の子どもが学校に行かない・行けない状態のことを指します。
ここではまず、病気や経済的理由(児童生徒自身が働いて家計を助けなければならない場合)が除外されています。
2. 不登校の理由は子どもによってそれぞれ
お子さんの不登校の理由は、一般的に大きく(1)心理的・情緒的理由、(2)身体的理由、(3)社会的要因・背景の3つに分類されています(文部科学省の定義より)。
(1)心理的・情緒的理由
最も多いのは、学校の人間関係です。友達にうまく馴染めない、先生と合わない、などの理由で学校の居心地が悪く、だんだん足が遠のいてしまうことも多くあります。また、勉強や人間関係を頑張りすぎてエネルギーが枯渇してしまい、無気力になったり元気がでなくなってしまうこともあります。
(2)身体的理由
病気以外の原因で(心理的な原因で)頭痛や腹痛、吐き気などが出現することもあります。この場合は「気持ちの問題」と思われることが多いのですが、そうではなくて本当に身体症状を苦痛に感じていることが大半です。
(3)社会的要因・背景
非行グループに入ってしまい学校に来なくなる、親が登校を禁止している等がこれに含まれます。
ただ、実際には綺麗に分類できるものではなく、複合的であったり曖昧であったりすることが多いです。
3. 不登校の理由を自分では言えないことも
児童生徒本人たちは明確に「学校に行きたくない」「○○くんが嫌」と言う場合もあれば、「(なぜ学校に行けないか)よく分からない」「学校は嫌じゃないけどなんとなく行きたくない」と言います。なんとなく不安であったり、おっくうであったりするのです。特に人間関係のトラブルを引きずる子や、人目が気になる子は、一度休むとそのまま「休む→翌日どう言われるか気になる→登校できずまた休む」というスパイラルに陥ることもあります。
学校に行くのは大人が思うよりもずっとエネルギーを使うものです。まずは子どもの話にゆっくり耳を傾けてあげるのが大切な第一歩です。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
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(小児科医 三木崇弘)