よく寝る子はよく育つ:「睡眠時無呼吸症候群」について

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

「寝る子は育つ」と昔から言われますが、子どもの健康のために良質な睡眠は不可欠です。 「いびきをよくかいていてきちんと眠れているか不安」 「ときどき寝ているときに呼吸が数秒止まっているようにみえるけど大丈夫なの?」 こういった症状があるときは睡眠時無呼吸症候群があるかもしれません。

いびきや無呼吸は子どもの成長・発達に悪影響を及ぼします

子どものいびきや無呼吸は子どもの成長に悪影響を及ぼします。子どものいびきや無呼吸の原因は、アレルギー性鼻炎による鼻閉、アデノイド(鼻とのどの間にあるリンパ組織)や口蓋扁桃(こうがいへんとう。口をあけると両側にこぶのように見えるリンパ組織。いわゆる扁桃腺)の肥大、肥満などが主な原因です。いびきや無呼吸がある一定の基準に達すると「睡眠時無呼吸症候群」といいますが、これらは将来の子どもの成長・発達に悪影響になることはもちろんのこと、あごの形の異常、さらなる肥満、高血圧、心臓への影響など様々な病気を引き起こします。

きちんとした検査での診断が必要です

「睡眠時無呼吸症候群」の診断には、鼻やのどの観察をすることでアレルギー性鼻炎、口蓋扁桃肥大やアデノイド肥大があるかみることがとても大切です。 正確な診断には入院をして検査を行うことが多いです。終夜睡眠ポリソムノグラフィーというさまざまなモニターを装着して睡眠中の体位、時間、深さ、無呼吸や浅い呼吸の有無、脈拍の変動など測定します。ただし、どの医療機関でもこの機械があるわけではないので、ご家庭でも使える簡易ポリソムノグラフィーやご家庭での睡眠時のビデオ撮影を行うこともあります。

子どもの「睡眠時無呼吸症候群」のサインは「いびきをかくこと」

いびきをかくということは空気の通り道である気道が狭くなっていることを意味し、いびきをかいているお子さんは無呼吸も伴っていることが多いです。「睡眠時無呼吸症候群」をきちんと診断、治療することで症状の改善、睡眠の質の向上、成長発達の改善を期待できます。お子さんがよくいびきをかく場合には、一度小児科や耳鼻科の医師に相談してみましょう。小児科オンラインで受診の目安を相談いただくことも可能です。 さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。 小児科オンラインはこれからもお子さんの睡眠に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 大谷勇紀

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