首の後ろのしこり、これって何?〜首のリンパ節の腫れとは

お子さんの首を触った時に今までになかった首のしこりに気づくことがあるかと思います。突然できたのではないかと保護者の方は心配になりますよね。

今回はこの首のしこりに関してお伝えしたいと思います。

首のしこりの正体はリンパ節であることが多いです

首のしこりの正体は「リンパ節」であることがほとんどです。体には血管と同じように「リンパ管」が全身に張り巡らされており、その中を「リンパ液」が流れています。リンパ節はリンパ管のところどころにあり、首、脇の下、脚の付け根、胸などでは体の表面から触れることができます。役割としては、簡単にいうと体の外から入ってきた細菌やウイルスに反応して、排除しようとする働きを担っています。一般的には大きさは1cm以下で豆の形をしているものが多いです。また首はリンパ節がもっとも腫れやすいところとして知られています。

リンパ節が腫れる(大きくなる)原因は感染が最多です

リンパ節が大きくなる原因は何らかの細菌やウイルスの感染が最多です。リンパ節は体の免疫機能を担っているので、感染した際には反応して大きくなります。もう少し正確に言うと、細菌やウイルスと戦う細胞などがそのリンパ節に集まって大きくなります。ですので、お子さんに多いかぜ(ほとんどはウイルスが感染することによる上気道炎)や溶連菌感染症(細菌が感染することによるのどの炎症)などでは、よくリンパ節が大きくなります。

かぜなどの症状がなくリンパ節が大きな場合は受診しましょう

リンパ節が大きくなる原因は感染がほとんどですが、それ以外でもリンパ節は大きくなります。

白血病やリンパ腫などの腫瘍でも大きくなりますが、一般的にはこれらの場合は、首のリンパ節だけではなく全身あちこちのリンパ節が大きくなると言われています。

ですので、かぜなどの症状がなくリンパ節が大きくなったまま改善しない場合や、首以外のリンパ節も大きくなっているようであれば、病院で診察を受けましょう。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの様々な症状に関する情報を発信していきます。

(小児科医 田中俊之

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