最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
新生児期の赤ちゃんと過ごす毎日の中で、思い通りに寝てくれずに不安になることや、整わない睡眠リズムからお母さんやお父さん自身も睡眠不足で疲れを感じることも多いのではないでしょうか。今回は新生児期の赤ちゃんの眠りについてお話します。
新生児は昼夜の区別がつかず、浅い睡眠です
新生児とは生まれた日を0日とし、生後28日未満の赤ちゃんを指します。
新生児期の赤ちゃんの睡眠の合計時間は15 時間から20時間くらいと言われています。睡眠、授乳・ミルク、排尿、排便・・をくり返しながら、1日のほとんどを短い睡眠と覚醒のリズムで過ごしています。昼と夜の区別がまだつかないので、夜でも寝たり起きたりをくり返します。また、脳が発達過程で未熟であることや浅い睡眠(レム睡眠)が多いことから、少しの刺激で目を覚ますことが多い時期です。せっかく寝たと思ったら、わずかな音で起きてしまう、ベッドに置くともぞもぞして起きてしまうのは新生児期の特徴とも言えます。
生後2-3か月頃からリズムがつき始めます
実は、お母さんのお腹の中にいる時の赤ちゃんは胎盤を通して伝わるホルモンにより既に睡眠と覚醒のリズムができています。出生後は新しい環境に適応しながら、赤ちゃんは自分のリズムを再度作り直していきます。このため、新生児期は睡眠と覚醒のリズムがまだ整っておらず、個人差がでてきます。すぐに寝る赤ちゃん、なかなか寝ない赤ちゃんがいるのは不思議なことではありません。平均睡眠時間より長くても、短くても、成長が妨げられることはないので、赤ちゃん自身の心地よいリズムに合わせてあげてください。生後2-3か月頃になると昼夜の区別がつき始め、夜間もまとまって寝ることが多くなっていきます。
安心して眠れるための環境作りを心がけましょう
「寝る子は育つ」ということわざにあるように、眠りは子どもたちの成長に大きな役割を果たします。赤ちゃんが安心して眠れるように生活環境を見直すことも大切です。
・快適な室温
赤ちゃんは体温調整が未熟であるため、暑くても寒くても自分では上手にコントロールはできず、寝つきが悪いことがあります。衣類の着せすぎにより熱がこもり、汗ばんでいないかを背中や手足を触って確認してみてください。
・明かりやライトの調整
出生後まもない赤ちゃんも明るいと暗いの違いは認識できます。明暗環境を整えることで昼と夜の区別がつき、体内リズムが整っていきます。昼間は木漏れ日程度の明るさの場所で、夜間は明かりを弱くし、静かで暗い場所で寝かせてあげましょう。
新生児期の赤ちゃんとの生活は初めての経験ばかりで、不安になることや辛い気持ちになることも多いと思います。眠りのリズムは個人差があります。赤ちゃんが新しい世界に馴染んでいくまでの時間をどうぞ見守ってあげてください。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
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(小児科医 大沼奈央)