最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
すやすや寝ている赤ちゃんはとても可愛らしいですね。赤ちゃんの睡眠環境ではどんなことを注意したら良いのでしょうか?自分で自由に動けない赤ちゃんには、窒息や乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome: SIDS)という特有の怖い病気がありますので、赤ちゃんの睡眠環境は万全を期して整えたいものです。
「同室寝」で赤ちゃん一人で寝かせないようにします
欧米では個性を大切にし、赤ちゃんの頃から自分の部屋で一人で寝ることを大切にする習慣がありました。しかし最近は、赤ちゃんを一人にしないことが推奨されています。
ベビーベッドで寝かせるのであれば、大人のベッドのある部屋にベビーベッドを設置し、敷布団であれば大人の布団の隣にベビー布団を敷いてください。
夜間の授乳のサインや赤ちゃんからのサインにすぐ気が付くためには、同室にいる必要がありますね。
ここで重要なのは、添い寝ではなく「同室寝」であるということです。同じ部屋で別々の寝床で寝るという意味になります。
ベッドマットや敷布団は硬めの赤ちゃん専用のものを使用しましょう
赤ちゃんに適したベッドマット・布団の硬さは、アイロン台にバスタオルを引いたくらいの硬さと言われています。結構硬めかもしれません。でも、赤ちゃんは体重が軽いので、硬いところに寝ていても大人のように腰が痛くなりません。
ふかふかの大人のお布団は気持ちよさそうですが、うつ伏せや横向きになった場合に鼻や口が埋まってしまい、窒息の危険があります。赤ちゃん専用のお布団は硬めにできていますので、赤ちゃん専用のものを使用するようにしましょう。
掛け布団は赤ちゃんの力でも払い退けられるような軽いものを使用し、顔にかぶらないようにします。赤ちゃんは大人より眠りの浅い時間帯が多いことが知られています。眠りが浅くなった際に、体がよく動くので、その動きによって布団や掛け物が顔にかかってしまうこともあります。そのような事態を避けるために、できれば掛け布団ではなく、スリーパーを使用しましょう。
また、タオル、ガーゼ、よだれ掛けのひも、ぬいぐるみなどは思わぬことで口や鼻を圧迫したり、首に巻き付くなど危険に繋がりますので、ベビーベッドにはモノを置かないようにしましょう。携帯電話の充電のコードなどのひも状のものも危険です。
添い乳・添い寝に関しては賛否両論の意見があります
添い乳・添い寝に関しては、専門家の間でも賛否両論の意見がありますが、科学的根拠が不足しているのが現実です。
添い乳・添い寝を肯定する考えとしては、SIDSや窒息予防に母乳育児が良いとされています。その母乳育児推進のために、添い乳・添い寝が推奨される、という考えです。日本を含むアジア諸国では同室、添い寝が長い伝統を持つ自然な習慣として根付いています。
ただし、大人の身体や腕が赤ちゃんを圧迫し窒息したという報告がないわけではないので、完全に安全であるとは言えません。添い寝で寝かしつけた後に、赤ちゃんは赤ちゃんの寝具に寝て、大人は隣の大人の寝具に移動するのが良いでしょう。
夜間の授乳では、ついつい大人も眠ってしまいがちなので、家族に起こしてもらう、アラームをかけるなどの工夫をするのも良いですね。
お母さんの体調が悪い時、眠くなるような薬を服薬している時、家族がアルコールを飲んでいる時などは、添い寝は避けましょう。
そして、寝ている時の赤ちゃんは意外と暑いかもしれません。新生児期を過ぎると、赤ちゃんは代謝がとても盛んになります。小さくて冷えやすくもありますが、とても暑がりの子が多いです。新生児期を超えたら、室温をやや涼しいくらいに設定すると良いでしょう。
こちら「赤ちゃんを突然死から守ろう!今日からできる3つのこと」も参考にしてくださいね。
いかがでしょうか?お子さんの睡眠環境が安全かどうか照らし合わせて確認してみてくださいね。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんの睡眠に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 梶原久美子)