BCG接種痕の変化:コッホ現象はいつ受診するべきなのか

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

BCGワクチンを接種すると必ず針痕がつきます。この時に話題に上がるのが「コッホ現象」。コッホ現象は「結核に感染しているお子さんにBCGワクチンを打つことで局所反応が早く強く出る現象」のことを指します。しかし「早く強く出る」とはどういったものでしょうか?

BCGワクチンの基礎知識については、「BCGを接種したところが赤くなったら結核??ー結核予防「BCGワクチン」の基礎知識」も合わせて参考にしてください。

コッホ現象では「早く」「強く」接種部位が赤くなります

通常は、BCGワクチンを接種して約10日後から少しずつ赤くなり、約1〜2ヵ月後に接種した針痕部の周囲と針の間が赤くなります。その赤くなり具合には個人差があります。

しかし、コッホ現象では、BCGワクチンを接種した1、2日後(遅くても7日以内=「早い」)に、針痕部が白く抜けてぷつっと腫れ、その周りが全体的に赤くなります(「強い」反応)。

そのため、接種した1、2日後に接種した針痕の周りだけ少し赤くなったとしても、上記のような「強い反応」ではないのでコッホ現象である可能性は低いです。また、接種して1か月経ってから接種部位が赤くなることは「早い反応」ではないので同じくコッホ現象である可能性は低いです。

「早い」段階で「強い」接種部位が赤くなる反応が出たら、結核の感染を示すコッホ現象かもしれません。

1週間以内に接種部位に強い赤みがあるようなら病院を受診しましょう

コッホ現象が見られたら、お子さんが結核に感染しているか調べる検査を受ける必要があります。

もし、コッホ現象かもしれない、と思ったらワクチンを受けた医療機関、集団接種であれば自治体や保健所の予防接種課に相談してみてください。

もちろん判断が難しい場合は小児科オンラインで医師に相談してみるのも一つの方法です。

救急車を呼ぶほど急いで受診する必要はありません

もし医療機関で真のコッホ現象らしいと判断された場合は、ツベルクリン検査(注射での検査)、QFT検査(採血での検査)のような結核感染や発病の有無を調べる検査が行われます。その結果によっては結核発病予防の薬を数か月単位で飲んだりすることもあります。

とは言っても、結核症は1〜数か月かけてゆっくり進行する病気です。コッホ現象が出たからといって急に具合が悪くなることはありません。そのため、救急車を呼ぶほど急いで受診する必要はありません。夜間であれば翌日に、週末であれば週明けに受診するようにしてください。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの感染症、予防接種に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 大谷勇紀

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