寝かしつけって本当に必要?

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

毎日の寝かしつけ、大変ですよね。寝かしつけに使っている時間を家事や仕事にあてたいと感じる方も多いかもしれません。

「友達の子どもはもっとすぐに寝ているのに」、「毎日毎日同じことの繰り返しでうんざり」と思うこともよくあると思います。なかには、寝かしつけによるストレスで鬱々としてしまうお母さん・お父さんもおられます。

そもそも寝かしつけって必要なの?そんな疑問にお答えします

(※当記事は一部の記載内容を 2022年11月21日 に変更しております。)

寝かしつけをする必要はありません

「寝かしつけをする必要はない」と言われると、どのように感じられますか?

「する必要がないならとっくの昔にやめている」、「したくないのは山々だけど、やらざるを得ない」などでしょうか?

寝かしつけをするかどうか、その方法について医学的な正解・不正解はありません。そのため、寝かしつけをしてももちろん良いですし、実はしなくても良いのです。

こちらのジャーナルでは、生後5〜6ヶ月以降から1歳ごろまでのお子さんの、寝かしつけでお困りの親御さんを対象に、寝かしつけをしない方法についてご説明します。

いわゆる”ネントレ”で重要な5つのポイント

お子さんに、自分で寝てもらったり、夜中に目覚めても自発的に再び寝てもらうように習慣づけることを、俗に”ネントレ”と呼びます。

このネントレは、生後5〜6ヶ月頃からできるようになります。それ以前では、お子さんの睡眠パターンがまだまだ未熟な上に頻回な授乳を必要としますので、ネントレは難しいと言われています。

ネントレの方法は様々なウェブサイトに書かれていますが、重要なポイントを挙げます。

1)現実的な寝る時間を設定する
2)寝る時間1時間以内にテレビは見せない
3)寝る前のルーチンを作る
4)理想的に赤ちゃん用のベッド、赤ちゃんが寝る用の部屋を準備する
5)ネントレを諦めない親の強い意志

特に1)については親御さんにとって盲点であることが多く、小児科オンラインで相談を受けやすい点です。

特に生後6ヶ月頃では、1日13〜14時間ほど寝ることが一般的です。お昼寝をたくさんするお子さんでは、親御さんが思っているほどにお子さんが寝ないこともよくあります。そのような場合に、ネントレを午後7時に始めても、お子さんは寝ません。

1日の生活パターンを見直して、現実的な入眠時間を設定する必要があります。

アメリカでの寝かせ方”Graduated Extinction”

ネントレのやり方の1つに”Graduated Extinction”があります。

これは、赤ちゃんが夜中に泣いたとしても、あやさずに泣かせ続け、自発的に再度寝ることを促すものです。前提として、お腹が空いておらず、ウンチをしたなどの本人の明らかな訴えがないことを確認することは重要です。

Graduated Extinction をするためには、赤ちゃんが1人で安全に寝るためのベビーベッドが必要です。また、赤ちゃんが泣くたびに親御さんがすぐに起きてしまわないように、ベビーベッドは親御さんの寝室とは別の場所にある方が良いです(生後6ヶ月以降のお子さんのみ)

Graduated Extinction を始めるときには、お腹がいっぱいであること、おむつが変わっていることを確認して、ベビーベッドに寝かせます。「寝る時間だよ、おやすみー!」などと言って、子ども部屋の扉を閉めてください。

始めたばかりの頃は十中八九、子どもは泣き始めます。それでも親は我慢して、最初は1-2分泣かし続け、子ども部屋に戻ってください。その時も、顔だけを見せ、少しお子さんを触ってあげても良いですが、抱き上げずに、また退出します。それを繰り返しながら、少しずつ子ども部屋に戻る時間を伸ばしていってください。そのうちに、子どもは自然と寝ます。

Graduated Extinction を導入し始めた頃は、この過程を45分から1時間続けることになってしまうかもしれませんが、1〜2週間もすれば10〜15分以内に自然と寝てくれるようになります。

子どもが泣いているのに何もしないとなると、親御さんの良心が痛み、忍耐が必要になります。しかし、この方法を続けると、ほとんどのお子さんは自発的に寝るようになるため、長期的な視点で見ると、親御さん・お子さん双方にメリットがあります。

また、この方法は子どもの将来の体や心の発達に影響を与えることはないと言われており、アメリカでは一般的な子どもの寝かせ方です。

Graduated Extinction について、まだまだこちらのジャーナルには書ききれない細かいポイントがありますので、さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからも子育てに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 高城大治

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