胃腸炎後の登園はいつできる?

保育園や幼稚園に通うお子さんが胃腸炎になってしまうと、お子さんだけでなく、保護者の方も看病に感染予防にと色々と大変になってしまいます。

病院でも「胃腸炎後はいつから登園して良いですか?」と、保護者の方から聞かれることがあります。働くお母さんであればなおさら気になるのではないでしょうか?

今回は胃腸炎後の登園基準に関して一小児科医の立場からお答えします。

胃腸炎後の登園はインフルエンザのような明確な基準はありません

学校保健安全法(出席停止期間に関して国が定めた法律)では感染性胃腸炎の場合においては「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」と記載されていますが、この説明だけではやや不十分に感じます。

インフルエンザでは「発症後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」といった基準があるのですが、感染性胃腸炎はインフルエンザのような明確な基準がないため、登園に関して迷われるのも無理はありません。

現状では特別に指示がなければ(保育園や幼稚園から登園許可証の提出など)、胃腸炎が治ったときに医師の確認を得ている方は少ない印象を受けます。

今回はお子さんがどのような状態であれば登園できるか、また保育園や幼稚園などの状況も踏まえて、詳しく説明したいと思います。

嘔吐がないこと、食事をしても下痢がほとんどないことを確認してください

胃腸炎後の登園で大事なことは本人の調子が回復しているということが大前提ですが、感染を広げないことも同じくらい重要です。

嘔吐に関しては、吐き気や嘔吐がなくいつもと同じくらい食べられていれば、登園できる一つの目安となります。

しかし、食べることはできても、すぐに下痢をしてしまう場合はまだ十分には回復していません。その状態で保育園に行ってしまったら、本人にとっても負担となってしまいます。あくまでも目安ですが、便の状態がすっかり普段通りに回復する前に登園するのであれば、せめて水っぽい便(水様便)でなくなり、また、便の回数は1日1回くらいまでには改善していて欲しいと思います。

お伝えするまでもありませんが、発熱がある場合は登園は控えてくださいね。

嘔吐や下痢が落ち着いてもしばらくは他の人に感染します

ウイルスは嘔吐や下痢が落ち着いた後もしばらく(数週間)は体内にいて便にはそのウイルスが存在し、他の人に感染します。ウイルス性の胃腸炎後に登園できることと、治癒することは全く別の話です。そのため、せめて体内のウイルスの量が少なくなり、下痢の回数が改善するまでは、ご自宅で過ごすようにしていただければと思います。

保育士さんや幼稚園の先生から、胃腸炎後にすぐにお子さんたちが登園してきて、園での感染がとても心配ですと相談をいただくことがあります。園ではたくさんのお友達がいるので、感染予防にはとても気を配っています。そのような状況に少し配慮いただき、みんなが感染しにくい園の環境を整えていけたら良いですね。

 

登園基準に関して個人的な見解を述べさせていただきましたが、保育園や地域で見解が異なる場合もあります。また、感染性の胃腸炎が大流行している場合は、状況に応じて登園基準がより厳しくなることもあることをご了承ください。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの嘔吐・下痢、消化器、感染症に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 田中俊之