最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
アトピー性皮膚炎の治療や、毎日処方されたお薬を塗るのは大変ですよね。アトピー性皮膚炎を良くするためにも、他にお家でできることはないのだろうかと疑問に思ったことはありませんか?
アトピー性皮膚炎のホームケアのポイントはズバリ「皮膚を清潔に保ちつつ、皮脂を落とし過ぎないこと」です。
以下に具体的なポイントをご紹介していきます。
保湿剤は最低1日2回塗りましょう
保湿剤は、処方されたものでも、それぞれの皮膚に合うようであれば市販のものでも構いません。
保湿剤には、クリーム、ローション、軟膏といくつかのタイプがありますが、クリーム・ローションタイプは油性成分に加え水分が含まれています。一方、軟膏タイプには水分が含まれていません。その分、べたつきますが、皮膚の上の油を長時間保つことができます。そのため、特に乾燥しやすい人や、乾燥の強い季節には、水気の少ない軟膏タイプを選んだ方が良いでしょう。
1日2回以上、特に入浴直後に塗ることがおすすめです。保湿剤を適切に塗ることで、アトピー性皮膚炎の重症度を下げること、かゆみを抑えることが知られています。保湿剤の種類や塗り方については、こちら「生後すぐから必要な保湿ケア 〜正しく塗るための3つのポイント」もご参照ください。
入浴は熱過ぎない38〜40℃がおすすめです
入浴の温度はアトピー性皮膚炎の患者さんにとって重要です。熱いシャワーやお風呂は、痒みを引き起こすだけでなく、皮脂を過剰に落としてしまいます。すると、入浴後に急速に皮膚から水分が蒸発拡散し、ドライスキンの状態になってしまうため、アトピー性皮膚炎にとって良くありません。お湯の温度は38〜40℃ぐらいが良いと考えられています。お風呂に浸かる際も、皮脂を落とし過ぎないように、最大でも10分程度の入浴が良いでしょう。
石鹸の使用は皮膚の清潔を保ちつつ、皮脂を落とし過ぎないように
石鹸を使って体を洗うと、アトピー性皮膚炎の症状は改善するとされています。アトピー性皮膚炎では皮脂汚れに加えて、皮膚の状態を悪化させる汗や菌なども付着しているため、皮膚を清潔に保つことはとても大切です。しかし、過度の誤った石鹸の使用は皮膚の乾燥を悪化させる可能性があるともされています。
症状がそれほど強くなければ、石鹸を使用して体の全ての部位を毎日洗わなければいけないわけではありません。顔・首周り・胸・脇・陰部は毎日石鹸を使って洗った方が良いですが、それ以外の部位は毎日石鹸で洗わなくてもいいかもしれません。
また、体を洗うときはタオルでゴシゴシしないほうが良いです。これは皮脂を取り過ぎてしまうだけでなく、傷がついて感染の原因になります。
入浴後も、タオルでゴシゴシと体の水分を拭き取るのではなく、タオルをポンポンと体の上に置くようにして、拭いてあげましょう。
いかがでしたか?アトピー性皮膚炎のホームケアとして保湿剤と入浴のポイントを紹介しました。ホームケアはステロイド外用薬の使用と同じぐらい重要です。ステロイド外用薬の塗り方については、こちら「ステロイドのぬり薬、あまり知られていない3つのポイント」をご参照ください。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
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(小児科医 高城大治)