子どものスポーツに伴うケガと障害(前編)〜原因と受診の目安〜

乳幼児を過ぎ、小学生以上になるとスポーツクラブや部活動で運動に励む子どもたちも多くなりますね。

もちろんケガをすることもあると思いますが、ケガをした様子がなくても、筋肉や関節などからだの痛みを訴えることはありませんか。

前半は症状から考えられる原因や病院受診の目安について解説し、後半ではケガや障害があった時の応急処置や予防法を紹介します。

腕の痛みには、肩、ひじの障害があります

投球前後のひじの痛みや動かしにくさは「野球ひじ」かもしれません。野球ひじのピークは11歳、12歳、野球肩のピークは15歳、16歳です。

成長期に野球、バレー、テニスなどでひじを使う動作をくり返すと、骨の端の同じ部分に負担がかかり、骨同士がぶつかったり、筋肉や靭帯に引っ張られた骨が剥(は)がれる場合があります。これが「野球ひじ」です。

ひじの動かしにくさがあったり、ひじを押さえて痛むときは受診しましょう。

腰の痛みには腰椎分離(ようついぶんり)症があります

「腰椎分離症」は小学生、中学生に多い障害です。

ジャンプや屈伸(くっしん)やひねり動作をくり返す運動で脊椎(いわゆる背骨)の一部分に疲労骨折が起こり、腰を反らすと痛みが強くなります。はじめは日常生活は送れる程度ですが、ひどくなると足の痛みやしびれなどが起こってきます。この部分は骨がくっつきにくいので、早めの受診と診断が大切です。

脚の痛みには、ひざやすねの障害があります

跳んだり跳ねたりボールをくり返し蹴るスポーツをしていて、膝蓋骨(ひざのお皿の骨)の下に出っ張りや痛みがある時は「オスグット病」かもしれません。跳んだり跳ねたりをくり返すことで、すねの上の方の骨や軟骨の一部が大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)に引っ張られ剥がれてしまった状態を言います。女児は10歳、11歳、男児は11歳、12歳といった成長期に多い障害です。スポーツを休むと治りますが、再開するとまた痛むという特徴があります。

ごく稀ではありますが痛みのないひざの腫れは、「骨のガン」の可能性もあります。痛みがなくても受診するようにしましょう。

すねの内側中央から下3分の1あたりが痛む場合「シンスプリント」と言われる過労性骨膜炎の可能性があります。トラック競技をする方に多く、日本では運動量が急に増える春によく見られます。走る量を減らしたり、靴を見直したりする必要がありますが、脚の疲労骨折と症状が似ているため、受診して確実な診断を受けるようにしましょう。

すぐに治る足の痛みは成長痛かもしれません

4歳から8歳頃の繰り返す足の痛みは、成長痛かもしれません。ほとんどの場合、夕方から痛み始め長くても8時間程度で治ります。すねやふくらはぎの筋肉の痛みで、さすったり痛み止めなどでおさまり、翌日には痛まないことが多いようです。

骨が成長するだけで痛みは長く起こりませんので、成長痛というのは正確な病名ではありません。ひざが反っていたり(反張膝)や土踏まずが平らになっていたり(扁平足)など小さな問題があって痛みが出ているのではないかという説もありますが、原因ははっきりわかっていません。はれや動かしにくさはなく、レントゲンにも異常がないのが特徴です。受診の必要はありません。

しかし、もう少し年齢が高いお子さんや、関節が痛い場合、すねの骨の上下の端が痛む場合、スポーツをしている場合は、骨の端に炎症が起こる骨端(こったん)症、骨端軟骨障害などの可能性があります。成長痛といって放っておかず、整形外科を受診しましょう。

 

ケガの応急処置やスポーツ障害の予防については、ぜひ後編をお読みください。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 金澤結