こどもの包茎って何?治療は必要?〜専門家でも意見の分かれる包茎の話〜

「こどもの包茎って何かした方がいいの?」と考える保護者の方は少なくないと思います。でも、「おちんちんのことは、よく分からない」というお母さんや、「小さいころのおちんちんのことなんて覚えていないよ」というお父さんが多いのではないでしょうか。小児科医の立場からこどもの包茎の治療について解説します。

多くの場合こどもの包茎の治療は不要です

まず、包茎には真性包茎(おちんちんの先である亀頭が出てこない)と仮性包茎(包皮というおちんちんを包む皮膚をめくれば亀頭が出てくる)があります。一般的に包茎とは、真性包茎のことを指します。

日本では割礼(文化的な理由などから包皮の一部を切除すること)の慣習はありません。包茎の治療は基本的にむいた包皮が元に戻らなくなった場合(かんとん包茎)、包皮が硬くむけにくい場合、穴が小さくおしっこがしにくい場合などに、治療をすることが多いです。他の場合に治療をしないのは、包茎は病気ではなく、痛い治療をしなくても多くは中学生頃に自然に包皮がむけるためです。

参考文献(1)〜(5)

 

それでも包茎が気になる場合は医師に相談を!

しかし、思春期に包茎で悩むお子さんもいます。そういった悩みや、陰部の清潔を保つことなどを考え、包茎治療を勧める医師もいます。事実、包茎治療を決定する理由の一つに「保護者の強い希望」も入っています。

包茎の治療は、国ごとの文化などにもより、専門家の間でも治療の必要・不要が分かれています。いまのところは絶対にこうすべきという見解はありません。

つまり、保護者の方の意向が大きいとも言えます。「少し様子をみよう」、「やっぱり気になるから一度相談してみよう」色んな考えがあって当然だと思います。治療法などが気になる方は、医師と相談しながら家庭ごとの方針を決めても良いかもしれませんね。

参考文献(3)(5)(6)

 

こどもの包茎には手術以外にも様々な治療法があります

現在は手術以外にも、包皮ほんてん指導(包皮を少しずつむく)、ステロイド軟こう治療(包皮を柔らかく伸びやすくして少しずつむく)などもあります。手術と比較すると自宅でもできるため負担が少ないです。ただし、むいた包皮をきちんと戻さないと、おちんちんがむいた皮に締め付けられてしまう「かんとん包茎」を起こし、緊急手術が必要になることもあります。行う際は必ず医師の指導を受けましょう。また、このような治療が難しく手術が必要と判断されることもあります。いずれにしても、気になる方は医師に相談をしてみてくださいね。

参考文献(1)〜(4)(7)

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 新居麻貴

 

 

 

(1)包茎.日本小児外科学会.

(2)高松 英夫,福澤正洋.標準小児外科学第7版.医学書院,2017.

(3)こどもの包茎.東京女子医科大学病院泌尿器科腎臓病総合医療センター. 

(4)小児の包茎について.福岡泌尿器科医会.

(5)陰茎の異常①(包茎・埋没陰茎).順天堂大学医学部小児外科・小児泌尿生殖器外科. 

(6)山崎雄一郎.日本の小児の包茎は治療の対象か? 第10回日本小児泌尿器科学会総会アンケート集計.日小泌尿会誌 11: 84, 2002.

(7)包茎.日本小児泌尿器科学会.