食物アレルギーって治るんですか?

「食物アレルギーがあると、ずっと原因の食物を食べられない?」「アレルギーが治ったかどうやってわかるの?」など先のことが心配になるかと思います。今回は即時型の食物アレルギー(原因の食物を食べて2時間以内にアレルギー症状が出る最も典型的なタイプの食物アレルギー)が「治る」とは何か、について解説します。

食物アレルギーが治るとは日常生活で食べる量を食べても症状が出なくなるようになること

「食物アレルギーが治る(耐性獲得)」とは、消化管機能と免疫機能が成熟して、原因の食物を食べてもアレルギー症状が出ないことです。どのくらいの量が食べられたら「治った」と言えるのかははっきりと決まっていませんが、一般に日常的に食べる量を食べられることを目安にします。

食物アレルギーを治す薬はなく、成長とともに食べられる体になるのを待つことが基本になります。治るまでの間は原因の食物は除去する(食べない)ことになりますが、症状が出ない安全な範囲で少しずつ食べ進めていくことが重要です。

「食物経口負荷試験」で食べられるようになっているか判定します

食物アレルギーでは多くの場合、症状の経過や血液検査の結果などを参考にして食物経口負荷試験(以下、負荷試験)を行い、どのくらいの量でアレルギー症状が出てしまうか、どのくらいの量なら安全に食べられるかを判定します。

安全に食べられる量がわかれば、少しずつ自宅で食べ進め(部分解除)、数ヶ月〜数年かけて負荷試験をくり返しながら食べる量を増やしていきます。

最終的には、日常的に食べる量で負荷試験を行い、症状が出ないことを確認します。

その後はしばらく(原則半年以上)、自宅でも負荷試験と同じ量や、給食で提供される量をくり返し食べ、症状が出ないことを確認します。

それで問題がなければ、保育園や学校の給食、外食でも自由に食られるようになります。

自宅外でも除去をする必要がない状態(完全解除)になったら「治った」といえるのかもしれません。

鶏卵・乳・小麦・大豆は自然に治る可能性が高いです

一般に、鶏卵・乳・小麦・大豆は自然に治る可能性が高く、3歳までに30-60%、6歳までに60-80%が治るとされています(数値は研究によってばらつきが大きいのであくまで大まかな値です)。負荷試験では、鶏卵ならゆで卵2/3~1個、乳なら牛乳100~200cc、小麦ならうどん100~200g食べても症状が出ないことが目安とされています(年齢に応じて量は調整します) 。

それ以外の甲殻類、魚類、ピーナッツやナッツ類などの食物は自然に治る可能性は低いとされています。しかし、食物アレルギーが自然にどのくらいで治るかについては、実は研究が少なくはっきりしたことはわかりません。

アナフィラキシー歴や複数のアレルギーがあると治りにくいかもしれません

食物アレルギーのある食物のIgE値が高い、食べた時の症状がアナフィラキシーなど重症であった、複数の食物アレルギーがある、アトピー性皮膚炎を合併している、などの要素があると食物アレルギーが治りにくいことがわかっています。

残念ながら現時点では根本的に食物アレルギーを治す治療法はありません。そのため、小学生くらいになってもごく微量を食べただけで重い症状が出てしまう場合は、自然に治ることを期待するのは厳しいかもしれません。まだ研究段階の方法ですが、経口免疫療法という治療方法はあります。リスクを伴う方法なので必ずアレルギー専門施設を受診して相談しましょう。

 

食物アレルギーが治るかどうかは、食物の種類や症状の重症度、他のアレルギーの有無などによって様々です。また、年齢とともに変化していくので「現在どのくらい食べられるか」を知り、上手に付き合っていくことが重要です。定期的にアレルギー専門医を受診し、除去の必要性や量を都度更新していきましょう。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 小笠原久子