食物アレルギーがある場合に気をつけるべき薬剤

食物アレルギーがある場合、薬にも食物の成分が入っていることがあるので注意が必要です。食物別に注意すべき成分について解説します。

鶏卵アレルギーでは「リゾチーム」を含む点眼薬と市販の風邪薬などに注意!

鶏卵を原料とした「リゾチーム塩酸塩」が炎症を抑える酵素として薬で使用されていることがあり、鶏卵アレルギーがある場合は使用してはいけません。

しかし、処方薬としては、内服薬は2016年から、貼付薬・外用薬は2021年3月から販売中止され、点眼薬(ムコゾーム点眼液®)も2022年12月末で販売中止の予定です(中止の理由は有効性などの問題で、アレルギーとは関係ありません)。

病院で処方されることはなくなっていきますが、薬局で買える市販薬(風邪薬、咳止め、トローチ、点眼薬、歯痛の薬など)にはまだ含まれていることがあるので注意が必要です。

乳アレルギーではタンニン酸アルブミン、耐性乳酸菌、リカルデントに注意!

乳アレルギーの場合、使用できない医薬品が多数あります。

(1)タンニン酸アルブミン:タンナルビン®など
タンニン酸とカゼインで作られる成分で、下痢止めに使われています。

(2)耐性乳酸菌:エンテロノンR散®、ラックビーR散®、耐性乳酸菌散®
乳酸菌を増やすための培地にカゼインが含まれている場合があります。抗菌薬と一緒に処方されることが多い薬です(※「乳酸菌」自体は牛乳とは関係なく乳アレルギーの問題はないので、混同しないようにしましょう)。

(3)カゼイン:ミルマグ錠®、経腸栄養剤(エンシュアH®、エネーボ配合経腸用液®、など多数)
カゼインは乳の成分そのものなので、乳アレルギーがある場合は、もちろん使用してはいけません。

(4)CPP-ACP(リカルデント):ジーシーMIペースト®、リカルデントガム®
どちらも虫歯予防など口腔ケアのため使われるものですが、人工的に作ったカゼインを含んでいます。

重症の乳アレルギーでは「乳糖」が含まれる薬に注意!

乳糖には微量の乳タンパク質が含まれており、軽症の乳アレルギーでは問題ありませんが、重症の場合(少量の乳でアナフィラキシーを起こしたことがあるなど)は注意が必要です。

粉薬の調合や吸入薬、カプセル、錠剤、静注用製剤などに乳糖が添加されることがあります。特に、喘息発作などの時に使う点滴薬(ソル・メドロール静注用40®)は注意が必要です。

喘息の吸入薬は、ドライパウダータイプには乳糖を含んでいることがあります(フルタイドディスカス®、アドエア®など多数)。また、インフルエンザ薬のリレンザ®、イナビル®は乳糖を含む吸入薬です。

重症の乳アレルギーがある場合は、乳糖を含まないタイプの吸入薬や飲み薬を使用した方が安全です。

ゼラチンアレルギーではカプセルに注意!

ゼラチンアレルギーがある場合は、添加剤やカプセルの原材料として医薬品にゼラチンが使用されているものは使用しないようにしましょう(エスクレ坐剤®や市販薬)。

その他では、漢方薬には小麦、ゴマ、モモ、ヤマイモ、ゼラチンなど特定原材料を含むものがあるため、使用の際は注意しましょう。

また、大豆油やレシチンなど大豆関連物質を含む医薬品は多数あります。しかし、大豆アレルギーであってもその医薬品でアレルギー症状が出ることは稀なので、一律に使用してはいけないことにはなっていません。

薬の処方や歯の治療を受ける時、食物アレルギーがあることを医師や歯科医師に必ず伝え、処方箋を提出する薬局でも伝えましょう。また、ドラッグストアなどで市販薬を買うときは、注意書きを読み、アレルギーを起こす成分が含まれていないかを確認しましょう。わからなければ薬剤師に相談しましょう。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんのアレルギー、薬に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 小笠原久子