最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
アレルギーの皮膚テストにはいくつか種類がありますが、即時型のアレルギーの原因を調べる検査として、皮膚プリックテストでははっきりわからなかった場合は、皮内テストを行います。
(皮膚プリック検査については「アレルギーのプリック検査ってどんな検査?」をご参照ください)
アナフィラキシーに注意して、検査を行います
皮内テストは、アレルギーの原因として疑われる物質(アレルゲン)を針で皮膚の中に注入し、虫刺されのように腫れるかどうか調べる検査です。
腫れた場合、そのアレルゲンに対して皮膚がアレルギー反応を起こしたことになります。
皮膚プリック検査よりも体の中に入るアレルゲンが多いので、アナフィラキシーなど重いアレルギー反応を起こす可能性があります。通常、救急処置の対応ができるよう準備して検査を行います。
検査の注意点と、検査の流れ
数日前からアレルギーの飲み薬を中止します。薬によって中止する日数が異なるので事前によく確認しましょう。検査は体調の良いときに行います。
検査の流れ
- 椅子に座り机の上など平らなところに腕を乗せる
- 検査部位の皮膚(前腕手のひら側)をアルコール綿などで消毒する
- 注射器(1mLの注射筒と細い針)を皮膚に刺し、中に検査薬を注射(0.02mL)する(複数検査する場合は、検査部位の間隔は4〜5cm離す)
- 15〜20分後に判定。膨疹、紅斑の大きさをmm単位で測定する
- 腫れの大きさを生理食塩水などの対照液と比較して判定する
薬アレルギーの診断で、行うことの多い検査です
皮内テスト専用の検査薬には食物、花粉など多種類ありますが、アナフィラキシーを起こす可能性があることや検査の精度の問題から、食物アレルギーの診断目的での皮内テストは通常行いません。
薬アレルギーの場合は、原因として疑われる薬そのものを検査に使います。
薬の濃度を調整して複数に分けて注射するなど、これまでの症状の出現歴に応じて調整します。
アレルギーの診断は、症状の出現歴が非常に重要です。検査の必要性や種類、検査をすべきアレルゲンについて主治医とよく相談しましょう。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんのアレルギーに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 小笠原久子)
参考文献
皮膚テストの手引き、日本アレルギー学会、2021年