子どものがんを疑う時はこんな時

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

子どものがんは年間約2,500人が発症し、子どもの三大死因の一つです。まれな疾患であることや、子どもが自分で症状を正確に伝えられないことなどから、診断までに時間がかかることもしばしばあります。頻度自体は高いものではないので、過度な心配は無用なのですが、万が一今回ご紹介するような症状がみられた場合は、病院受診をおすすめします。

1. 2週間以上続く発熱・くり返す発熱

がんになると、「腫瘍熱(しゅようねつ)」という、がんに伴った発熱が出ることがあります。腫瘍熱は風邪のように数日で解熱したり、抗菌薬の治療で解熱はしません。子どものがんで一番頻度の高い白血病では、病気の発見時に約50%のお子さんが発熱しています。また、白血病になると感染症にかかりやすくなるため、発熱をくり返すことがあります。2週間以上持続する発熱や、くり返す発熱がある場合には医療機関を受診するようにしましょう。

2. 顔色が悪い・疲れやすい

子どものがんで一番頻度の高い白血病では、赤血球が十分に作られないため貧血になります。貧血になると、顔色が青白く、ちょっとした活動でも疲れやすくなります。

また、白血病以外でも、がんが血液の生産工場である骨髄に転移している場合や、出血を伴うがんの場合に貧血になります。乳幼児では食欲が減ったり、なんとなく元気がなくなっている場合にも貧血の可能性があるので注意しましょう。

3. あざができやすい・鼻血が止まりにくい

赤血球と同様に血小板(血を固める役割の細胞)も血液の生産工場である骨髄で作られており、白血病やその他のがんの骨髄転移、出血などで減ってしまうことがあります。あざができやすかったり、鼻血が止まりにくい時は、血小板が減っている可能性があります。

歩けるお子さんであれば膝から下に、まだ歩けない赤ちゃんであればおしりに、皮下出血(紫斑や点状出血)が見られる場合もあるので、発見した時は医療機関を受診しましょう。

 

一番頻度の高い白血病を中心に、頻度の高い症状を取り上げました。一方で、実際にがんの種類は多く、患者さんによって症状は様々です。医療機関を受診していても、診断に時間がかかることもしばしばあります。保護者の方にとって大事なことは、医療機関を受診し医師にお子さまの様子を伝えて頂くことだと思います。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんのがんに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 白井了太

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