家族全員で接種がお勧め!B型肝炎ワクチンは肝臓がんを予防します

最終更新日: 2024年4月3日 by syounikaonline

2016年(平成28年)4月より、生後2か月の赤ちゃんに対してB型肝炎ワクチンの定期接種が行われるようになりました。定期接種化によって、今の赤ちゃんはB型肝炎に対する十分な抗体を持っています。しかし、2016年より前に生まれたお子さんや成人のほとんどは、ワクチンを打っていないため、抗体を持っていません。

世界保健機関は国民全員がB型肝炎ワクチンを接種するよう指示しています

以前より、B型肝炎ワクチンは一部の感染リスクの高い人(B型肝炎に感染しているお母さんから生まれた赤ちゃん、針刺し事故などで血液を介して感染する可能性の高い医療関係者など)に限定して接種が行われていました。

しかし、B型肝炎ウイルスは、そのような人だけでなく、体液、血液を介して、誰から誰にでも感染することがあります。特に性交渉がきっかけとなることが多いことが知られています。

そのためWHO(世界保健機関)では、世界中の子どもたちに対して、生まれたらすぐに国の定期接種として国民全員が接種する方法『ユニバーサルワクチネーション』を指示しています。

日本はB型肝炎ウイルスの中蔓延国です

B型肝炎ウイルスは、全世界で約3億5,000万人が感染していると言われています。そのうち日本では、約130〜150万人(およそ100人に1人)が感染していると推定され(1)、WHOから「中蔓延(まんえん)国」とみなされています。

 家族で受けよう!肝がんを予防するB型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスは、肝臓に感染して肝炎を起こします。肝炎が持続すると慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がんへと進展します。B型肝炎ワクチンがヒトパピローマウイルスワクチンと並ぶ、もうひとつのがん予防ワクチンといわれているゆえんです。

世界では常識のB型肝炎ワクチン。今からでも遅くはありません。公費で接種できるのは生後2か月~1歳未満の赤ちゃんで、それ以外の方は任意接種(自費)となりますが、ぜひご家族全員での接種をお勧めします。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの予防接種、感染症に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 八木由奈)

参考文献

(1)一般社団法人日本肝臓病学会.初めてのB型肝炎.

SNSでシェア