昔とは違う離乳食の常識!〜改定された「授乳・離乳の支援ガイド」のポイント〜

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

離乳食の進め方は、時代とともに変わっている部分があり、年長者に「昔はこうだったわよ・・・」とアドバイスされ、困惑したことはありませんか?

厚生労働省から出ている「授乳・離乳の支援ガイド」は2019年に12年ぶりに改定され、現在の一般的な離乳食の進め方が書かれています。今回は、「授乳・離乳の支援ガイド」に沿って、離乳食の進め方のポイントをご紹介します。

果汁やイオン飲料は必ずしも必要ありません

離乳前の、果汁やイオン飲料は、栄養学的にはメリットはないとされています。お腹がいっぱいになってしまって、摂取すべき母乳、ミルク、離乳食の摂取量が減ってしまうこともあります。赤ちゃん用品専門店では、0歳から飲める様々な飲料が販売されているかと思いますが、3回食をしっかり食べてくれるようになるまでは、必ずしも必要なものではありません。

鉄やビタミンDを積極的に摂取しましょう!

6か月以降の赤ちゃんは、脳や筋肉の発達に欠かせない「鉄」の体内の貯えが減るとともに、必要な鉄の量も増えるので、鉄欠乏性貧血になりやすい時期です。

また、母乳栄養で育てられている赤ちゃんの75%が、骨の形成や成長に欠かせない「ビタミンD」が不足しているという報告もあります。

離乳食の時期に応じて、意識的に鉄やビタミンDを摂取するよう心がけましょう。

鉄を多く含む食材として、レバー、赤身の肉、魚、枝豆、ほうれん草、小松菜、大豆製品などが挙げられます。

ビタミンDを多く含む食材として、卵黄、しらす、鮭、干し椎茸などが挙げられます。ビタミンDについては、「『くる病』ってどんな病気?ー親子でビタミンD摂取と適度な日光浴を」の解説も参考になさってください。

自己判断で特定の食物の摂取開始を遅らせたり除去したりしないようにしましょう

食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果はないという報告があります。もし、摂取時に、発疹が出てしまったり、嘔吐してしまったりと、食物アレルギーを疑う症状があれば、医療機関を受診しましょう。そして、症状が出たことのない食物について、いたずらに警戒し、自己判断で摂取開始を遅らせたり、除去したりはしないようにしましょう。

特定の食物を極端に除去しすぎることで、体を作る栄養素が不足してしまうことがあります。必ず、小児科、小児アレルギーの専門家に相談しながら行いましょう。

また、口まわりの発疹が出て、食物アレルギーかな?と心配な際には、「離乳食を食べたら口の周りが赤くなった~これって食物アレルギー?~」も読んでみてください。

実際には「授乳・離乳支援ガイド」に沿って進めていってもうまくいかないことがあるかと思いますが、一番大事なのは、楽しく、美味しく食事をすることです。気になる点はぜひ遠慮なく小児科医に相談してくださいね。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの栄養に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 吉澤和子

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