最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline
手洗いは、感染症にうつらない、うつさないために大切とわかっていても、なかなか日々実践することは、簡単ではありませんよね。
今回は、新型コロナウイルス感染予防を中心に、日常生活の中で日頃から習慣づけたい、効果的な手洗いのタイミングについてご紹介します。
(1)咳やくしゃみ、鼻をかんだ後
新型コロナウイルスは、会話や咳、くしゃみをした際に、口や鼻から飛び散るしぶきの中に潜んでいます。このしぶきが付着した手、ティッシュ、マスクなどを介してもウイルスは広がっていきます。研究によると、ウイルスは症状のある無しにかかわらず、感染した人から排出されていることがわかっています。
コロナウイルス以外にも、このような形で広がる病原体はたくさんあります。したがって、咳やくしゃみ、鼻をかんだ後、また使ったティッシュやマスクを触った後は、必ず手を洗うよう習慣づけましょう。
(2)不特定多数の人が頻繁に触る物を触った後
新型コロナウイルスが表面に付着した物を触った手で、目や口、鼻を触ると、感染する危険性があると指摘されています。新型コロナウイルスが、物の表面でどの程度生きていられるか、また物を介した感染がおこりうるかどうかは諸説あります。ただし、不特定多数の人が頻繁に触る物には、生きたウイルスが付着しているリスクが高まります。
したがって、手すり、ドアノブ、スイッチ、タッチスクリーン、テーブル、遊具、硬貨など、不特定多数の人が頻繁に触る物に触れた際には、手洗いもしくはアルコール手指消毒をするよう、なるべく心がけましょう。
(3)食べ物の準備や物を口にする時
そうはいっても、物に触る度にいちいち手洗いや手指消毒をするのは、現実的に難しい場面もありますよね。また誰しもが日常生活の中で、無意識に目や鼻、口をついつい触ってしまいがちです。しかし意識さえすれば、大きな感染予防効果が得られるタイミングがあります。それが食事です。
新型コロナウイルスが食べ物を介して感染するかどうかは諸説ありますが、コロナウイルス以外にも、食中毒など、食べ物を準備する過程、もしくは食べ物を口にする際に、感染する可能性のある病原体はたくさんあります。
したがって、外出先や家庭内を問わず、食べ物など口にするものを準備する際、もしくは食べ物を口にする前には、必ず手を洗うよう心がけましょう。
(4)トイレやおむつ交換の時
新型コロナウイルスに感染した人の血液や便にも、ウイルスが排出される可能性が指摘されています。これらを介しての感染が起こりうるかは諸説ありますが、便や吐物、血液を介して感染を起こす病原体は他にもたくさんあります。
したがって、トイレやおむつ交換、吐物の処理の直後には、必ず手を洗う習慣をつけましょう。また血液に接触するリスクのある、傷口の処置の前後でも、必ず手を洗うようにしましょう。
(5)外出先から帰宅した直後
家庭内感染予防の第一歩は、病原体を外から持ち込むリスクを減らすことです。外出先から帰宅した際には、何をおいてもまず真っ先に、必ず手を洗うという習慣を身につけましょう。
ペットの世話、ゴミ捨てや掃除など、日常生活で手洗いが推奨されるタイミングは他にもいろいろあります。また手洗いや手指消毒は、いつやるかだけでなく、どのようにやるかも大切です。詳しくは「コロナ禍での感染予防〜基本の手洗いとアルコール消毒〜」もご参照ください。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
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(小児科医 西澤和子)
参考文献