最終更新日: 2024年4月3日 by syounikaonline
小麦はうどんなどの麺類、パン、揚げ物やシチュー、おかし、調味料など、あらゆる食品で使われる欠かせない食物の一つです。しかし、乳幼児期に食物アレルギーの原因となることが多い食物でもあります。今回は、離乳食〜幼児期の小麦の食べ進め方について解説します。
*一般的な月齢に応じた離乳食の進め方に加えて注意することとして参考にしてください。
小麦は少量のうどんから開始しましょう
小麦を開始する時期に、実は決まりはありませんが、離乳食を開始して、米や野菜、豆腐などに慣れた頃(開始後1ヶ月くらい)が良いでしょう。
量はゆでたうどんを1日1回、赤ちゃんスプーン1/2杯など少量から始めましょう。毎日どんどん増やすのではなく、4〜5回ほど同じ量で試してから、1杯、2杯、4杯、6杯・・・と、アレルギー症状がないことを確認しながら、徐々に増やしていく方が安全です。
パンはうどんの5分の1くらいの量から開始しましょう
食パンに含まれる小麦のタンパクの量は、ゆでたうどんの約3.5倍です。そうめんは、うどんの約1.3倍です。小麦はまずはうどんから、とされるのは、うどんの方が同じ量でもアレルギー症状は出にくく安全であることが理由の一つです。
パンを始めるときは、アレルギー症状なく食べられることが確認できたうどんの5分の1くらいの量の食パンから開始しましょう。うどんの量に応じてパンも徐々に増やしていきます。
また、パンは卵や乳を含んでいることが多いので、その点も注意して進めましょう。
うどんが増えてきたら他の料理や加工品も食べていきましょう
以下は、食べられるようになったうどんの量に応じて、食べて良い小麦を使った食品の目安です。もちろん商品や調理方法によってばらつきがあるので、最初は一口だけなど少量から試しましょう。
(左:うどん(ゆで)が食べられるようになった量、右:食べて良い食品)
5g→しょうゆ、みそ、酢、麦茶、コンソメ
10g→ムニエル、クッキー・ビスケット1枚、マカロニ(乾燥)2g、からあげ3個
30g→コロッケ1個、ギョウザ1個
50g→天ぷらかき揚げ1個、トンカツ1枚、カレー・シチュー1人前、春巻き1本
100g→ホットケーキ1枚、食パン1/2枚、ロールパン1/2個、フランスパン28g、中華麺1/4玉、ゆでパスタ50g
明らかに食物アレルギーの症状が出たことがある、血液検査でIgE抗体価が高い、アトピー性皮膚炎がある、などの場合は必ず医師の指示のもとで安全量を確認して食べ進めましょう。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。
小児科オンラインはこれからもお子さんのアレルギーに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 小笠原久子)
参考文献
「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会 . 授乳・離乳の支援ガイド(2019改訂版). 厚生労働省.
「食物アレルギーの診療の手引き2020」検討委員会. 食物アレルギー診療の手引き2020. 食物アレルギー研究会.
海老澤元宏ほか. 食物アレルギー診療ガイドライン2021. 一般社団法人日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会. 協和企画. 2021.
伊藤浩明.おいしく治す食物アレルギー攻略法.改訂第2版.アレルギー支援ネットワーク,2018.
文部科学省 科学技術・学術審議会. 日本食品標準成分表2020年版(八訂). 文部科学省.