まだ小さいのに、胸が出ている!?〜あらかじめ知っておきたい2つのポイント

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

乳幼児期に女の子の胸が一時的にふくらむ「早発乳房(そうはつにゅうぼう)」とよばれるものがあります。

乳児期はぽっちゃりとした体型のため気付きにくく、健診や小児科受診時に指摘されることもあります。気付いた場合の注意点などをお話したいと思います。

この年齢で思春期?-早く思春期がきたときに考えるべきこと」も合わせてご覧ください。

ポイント①「早発乳房」自体は良性のもので、治療は必要ありません

多くは2歳頃までに胸のふくらみが出現しますが、生まれたときからずっと存在している場合もあります。

片方のみふくらんでいる場合も、両方ともふくらんでいる場合もあります。
ふくらんだり、目立たなくなったりすることもよくあります。

生後数か月から2年以内に胸のふくらみが消えていくことが多いですが、思春期まで続くこともあります。正確な原因はわかっていません。

「早発乳房」であれば良性のため、通常は治療は必要なく、その後の思春期に問題はありません。

ポイント②他にも思春期のサインがみられる場合は、注意が必要です

「早発乳房」では、通常、他の思春期のサイン(身長の伸びる速度が通常よりも早い、おりものが出てくる、性器出血がある、陰毛が生える、にきびができるなど)は伴いません。

このようなサインがみられる場合は、「思春期早発症」の可能性がありますので、早めの受診が必要です。

また、「早発乳房」の中には、「思春期早発症」の初期症状である場合や、一部は後から「思春期早発症」へ移行していく場合もあります。

症状が胸のふくらみだけである場合も、病院で定期的に経過を見ていくことが大切です。

気付いたら、まずは受診しましょう

病院では、お話を聞いた後、胸のふくらみや外陰部も含めて思春期徴候を評価し、全身の診察を行います。

また、急な身長の進みがないか、成長曲線で確認しますので、母子手帳や成長の記録を持参してください。
他には、左手のレントゲン検査で骨年齢の評価をしたり、血液検査で性ホルモンの評価を行うこともあります。

思春期徴候はわかりづらいこともありますので、胸のふくらみに気付いたらまずは受診しましょう。

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからも、お子さんの発達について情報を発信していきます。

(小児科医 太田知子

参考文献
日本小児内分泌学会, 小児内分泌学 改訂第2, 診断と治療社, 2016

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