おしっこの回数が多い?「頻尿(ひんにょう)」の原因や受診の目安

「最近、子どものおしっこの回数が多いな」と感じることはありますか?病気なのか、様子を見ていてよいのか、迷うことがあると思います。受診の目安をお伝えします。

5歳以上で、排尿が1日に10回以上、または間隔が2時間未満なら頻尿を疑います

子どもの排尿の回数は、年齢によって異なります。

大まかな目安として、1~2歳は2時間おきで8~12回、3~4歳は3時間おきで5~9回、4歳以降は4~6時間おきで4~8回です。子どもの排尿回数は成長に伴い少なくなります。

4~5歳をすぎても一日の排尿回数が8~10回以上、もしくは排尿間隔が2時間よりも短い時は、頻尿を疑います。(引用:小児科臨床. Vol.72増刊号. 1208-1212. 2019.)

病気が原因で頻尿になることがあります

以下のような病気が原因で頻尿になることがあります。

尿路感染症(膀胱炎) 

頻尿、排尿時の痛み、残尿感、すぐトイレに行く、などの症状がみられます。大腸菌などの細菌が原因となります。尿検査で白血球や細菌を調べ、抗菌薬による治療が必要になります。

・過活動膀胱

尿を出そうと思っていない時に膀胱が勝手に収縮してしまい、「おしっこを出したい、我慢できない」となります。子どもの膀胱は尿を貯められる量が少ないことや、膀胱や尿道の機能が未熟であることが原因であることが多く、成長とともに自然と改善することがほとんどです。頻繁に尿もれがある場合には検査や治療をすることもあります。

・尿崩症(にょうほうしょう)

水分の摂りすぎでも頻尿になりますが、稀に尿崩症という病気で、多飲・多尿になることがあります。尿崩症は尿を濃縮するホルモンが働かず、尿が多くなり、異常に喉が乾くため多飲になります。

・糖尿病

小児の糖尿病では喉の乾きや、多飲多尿、頻尿のため夜間も起きるなどの症状がみられます。

ストレスや緊張など、心理的要因が頻尿の原因となる場合もあります

心因性の頻尿は、「トイレに行っても尿が少ししか出ない、寝ている間はおしっこをしない、遊びに夢中になっている時は尿意をもよおさない」などの特徴があります。一過性のことが多いですが、トイレが頻回で日常生活に影響する、なかなか症状が改善しない場合は、小児科に相談してみてください。

 

いかがでしたでしょうか。頻尿に伴い、排尿時の痛みや腹痛、多飲などの症状を伴う場合は、小児科の受診をしてくださいね。

 

<参考文献>

日本小児腎臓病学会. 患者、ご家族、一般の方向け Q&A「頻尿」

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからも子育てに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 脇野 ゆり恵

 

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