長引く咳の考え方

「咳が止まらなくて心配です」よく外来で出会う相談の一つです。咳は見た目に明らかな症状ですし、当然心配になると思います。今回は長引く咳について概要をお伝えしたいと思います。

咳は生体防御反応

まず、咳は、空気の通り道である気管や気管支などに貯まった分泌物や、吸い込まれてしまった異物を外に出すための、体を守る反応の一つです。例えば、貯まった分泌物が気管支にあり続けると、気管支炎を起こしてしまったり、呼吸が苦しくなったりします。風邪などによって分泌物が増えている状態において、咳という症状が出ることは身を守るための当然の生体防御反応といえます。

4週間以上が「長引く咳」

「長引く咳」の定義ですが、アメリカ胸部疾患学会のガイドラインによると、小児における長引く咳は、「4週間以上続くもの」とされています。逆に考えると、3週間ぐらいは、普通の風邪のあとの「心配のない咳」でもあり得る期間といえます。

長引く咳の理由は様々

咳が4週間以上続いた場合には、以下のような原因を考えます。

・誤嚥:食事中にむせてからずっと咳がある。
・気管支喘息:明け方、夜間の時間帯や、走った後などに乾いた咳がある。聴診器で胸の音を聞くと、ヒューヒューと音がする。
・咳喘息:空咳が続くが、聴診器で胸の音を聞いてもヒューヒュー音はしない。
・鼻汁の垂れ込みによる咳:横になった夜間に痰の絡む咳が多く出る。
・受動喫煙による咳:喫煙者が近くにいる。
・百日咳:コンコンコンと続けて咳をしたあとにひゅうっと吸い込むような音をだす。

上記のようなことを考えて診察や治療を行いますが、明らかな原因がなく漫然と続く咳もあります。ただ、その大半は自然治癒すると言われており、生活に支障がない程度の場合は無治療で経過をみることもあります。

 

治療すべき咳を見逃さず、過度な治療とならないよう対応するのが、長引く咳の一般的な考え方です。

治療すべき咳の場合、一緒に息が苦しいサインがみられる場合があります。息が苦しいサインの見極めには、「知っておきたい!子どもの”息が苦しいサイン”ーかぜやぜんそくのお子さんの保護者の方へ」も参考にしてみてください。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 橋本直也