はいはいしないのは異常ですか?ーシャフリングベビーかもしれません

はいはいが始まる10か月前後のお子さんを育てる方から、「うちの子、はいはいをしません。異常でしょうか?」こんなご質問をいただくことがあります。麻痺や筋肉の緊張が原因である場合を除いて、はいはいをしないこと自体は成長発達において異常ではありません。そして、もしそのお子さんが座ったまま前にずって移動していたら、「シャフリングベビー」かもしれません。

シャフリングベビーとは

典型的なシャフリングベビーとは、

・座れるようになるまでの発達は遅れなし

・はいはいをしない

・座ったままずるずると移動する

・うつ伏せが嫌い

・両わきを抱えて持ち上げたとき、股関節を曲げてしまい足の裏を地面につけたがらない

・歩行開始が1歳半-2歳ぐらいと遅れる

こうした特徴を持ったお子さんのことをいいます。

シャフリングベビーは正常範囲です

正常発達にも色々なバリエーションがあります。シャフリングベビーはその一つです。原因はよくわかっていません。

典型例では、はいはいをせずに歩き始めます。歩行開始が1歳半-2歳ぐらいと遅れる傾向がありますが、遅れないこともあります。歩行開始が遅れたとしても、基本的にその後の跳んだり走ったりといった運動の発達は正常と言われています。

足裏に刺激を加えてあげましょう

わきを抱えて持ち上げたとき足をつきたがらないシャフリングベビーのお子さんの中には、足裏の感覚が過敏なお子さんがいると言われています。この過敏を徐々に減らすために、普段から足の裏を指でマッサージして刺激してあげるとよいでしょう。

シャフリングベビーの特徴は、家族の中で受け継がれる場合があることが知られています。もしかしたら、両親、兄弟含め、同じような成長過程を辿った方が近くにもいるかもしれませんね。

シャフリングベビーが異常ではないとはいえ、お子さんがはいはいをしないと心配になると思います。一度は小児科医の診察を受けると良いでしょう。小児科オンラインで、お子さんの動画を医師に送ってご相談いただくことも可能ですよ。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからも発達に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 橋本直也

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