食後に運動していたら急にじんましんが・・・もしかしたら食物依存性運動誘発アナフィラキシー?

運動中に全身のじんましんや呼吸困難などの重いアレルギー症状が出たけれど原因がわからない、という場合、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)」の可能性を考える必要があります。今回は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの特徴や診断の仕方、注意点について解説します。

食後に運動することで症状が出る食物アレルギーの特殊型

原因の食べ物を食べただけでは症状はないけれども、食べた後に運動をするとじんましんや呼吸困難などの重いアレルギー症状が出るのが食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FDEIA)です。

食物アレルギーの特殊型とされ、稀なものです。

中学・高校生で初めて発症することが多く、もともと何かのアレルギーを持っている場合が多いことがわかっています。

小麦が原因となることが多く、体調不良などで起きやすくなります

原因となる食物は小麦が最も多く、次にエビ・カニなどの甲殻類が多いですが、果物など様々な食物が原因となります。

また、原因となる食物を食べた後に運動しても毎回必ずアレルギー症状が起こるとは限らず、風邪や疲労、ストレスなどのほか、アスピリンなどの薬(NSAIDs)を服薬したりしていると、FDEIAが起きやすくなります。

花粉が飛んでいる時期や寒い時期などにも起きやすいことがわかっています。

診断は詳しい問診(状況の確認)と検査の組み合わせで

どのような状況でどんな症状が出たのか、詳しい問診(状況の確認)が診断に欠かせません。

問診の結果からFDEIAが疑わしい場合、血液検査や皮膚プリック検査などのアレルギー検査を行います。(「正しく理解!食物アレルギーの検査」も参照してください)。

問診とこれらの検査ではっきりしない場合は、誘発試験を行います。これは、原因として疑われている食物を食べた後に、運動して症状が出るかどうかを確認する検査です。安全のために入院で実施することが多いです。(例:小麦が原因のFDEIAが疑われた場合、パンを食べ、30分後に15分間ランニングし、ランニング前後で症状が出現するかどうか、呼吸機能の値が変化するかどうかなどを観察したりします。)

原因食物を食べた後、運動は2-4時間は避けましょう

FDEIAと診断された場合、原因となるの食物を食べた後は最低2時間、できれば4時間程度は運動をしないようにしましょう。もし、体育の授業があり運動を避けられない場合などには、運動の前に原因となる食べ物を食べないようにするのが望ましいです。

また症状が出た時に備えて、抗ヒスタミン薬やエピペン®を携帯するようにしましょう(「食物アレルギーじゃない人にも知ってほしい!緊急用エピペン®」も参照にしてください)。

もし症状が出てしまった場合は、速やかに運動をやめて安静にし、必要に応じて薬を使用し、医療機関を受診しましょう。

 

FDEIAは知らないとなかなか気づくのが難しいものです。原因不明のアレルギー症状で困っている場合は、症状の前後で何をしていたかなど詳しい経過を記録しておき、アレルギー専門医に相談しましょう。

 

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

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(小児科医 小笠原久子