アレルギーが心配な場合の離乳食の「乳」の進め方

牛乳・乳製品や乳を含む加工品は、生活の中で欠かせない食品ですが、乳幼児期の3大食物アレルギーの一つでもあります。完全母乳で、粉ミルクを飲んだことがない、または新生児期に少し飲んでいたけどその後は何ヶ月も飲んでいない、などの場合はアレルギーに注意しながら乳を開始しましょう。

今回は、アレルギーが心配な場合の離乳食〜幼児期の乳の進め方の例と、注意する点を解説します。

*一般的な月齢に応じた離乳食の進め方に加えて注意することとして参考にしてください。

まずは粉ミルクを少量から開始しましょう

粉ミルク1mlから始めてみましょう。1日1回、4〜5回ほど同じ量で試してから、1回量を2ml、4ml、6ml・・・と、アレルギー症状がないことを確認しながら、徐々に増やしていくと安全です。

すでに他の離乳食が進んでいたら、ミルク粥に使うなど食べ方を工夫しても良いです。量が増えてきたら増やすペースも上げていきましょう。

なお、料理に少量混ぜる程度なら牛乳でも良いですが、牛乳のタンパク含有量は粉ミルクより多いことに注意しましょう(同じ量でも牛乳の方が粉ミルクよりアレルギーを起こしやすい)。

牛乳の開始時期については「牛乳はいつから?まずはフォローアップミルク?」を参照してください。

その次はバター、ヨーグルトの順に試しましょう。チーズは乳タンパクが濃いので要注意。

含まれるタンパクが多い方が、同じ量でもアレルギーが出やすいことに注意しながら、他の乳製品を取り入れていきましょう。

牛乳を1とした時のタンパクの含有量の目安は下記の通りです。

・バター→0.2
・粉ミルク→0.5
・牛乳→1
・ヨーグルト→1.1
・チーズ→2.5〜
・脱脂粉乳→10.3

粉ミルクを10ml以上飲めたら調理にバターを使う、30ml以上飲めたらヨーグルト1口ずつから食べてみる、などアレルギー症状が出ないことが確認できた粉ミルクの量に応じて他の乳製品を取り入れていきましょう。

チーズは種類によりますが、タンパクが濃いものが多いので、粉ミルク60ml以上飲めることが確認できてから少しずつ食べるのが安全です。

パンは粉ミルク20ml以上飲めたら少しずつ始めましょう

パンは乳を含んでいるものが多いです。うどんで小麦を食べられることが確認できてから、パンを開始しましょう。タンパク含有量は大まかに粉ミルク20ml=食パン1枚です。製品によって乳の含有量に幅があるので、粉ミルクが20ml飲めるようになったら、食パンひとかけらなど少量から試していきましょう。

小麦の進め方は「アレルギーが心配な場合の小麦の進め方」を参考にしてください。

また、鶏卵をまだ始めていないときは鶏卵が含まれていないパンを選びましょう。

明らかに食物アレルギーの症状が出たことがある、血液検査でIgE抗体価が高い、アトピー性皮膚炎がある、などの場合は必ず医師の指示のもとで安全量を確認して食べ進めましょう。

牛乳は1歳から。他の加工品は牛乳の量を目安に進めましょう。

  

1歳を超えたら牛乳へ切り替えていきましょう。次の表は、飲めるようになった牛乳の量に応じて、食べて良い乳の加工品の目安です。最初は一口だけなど少量から試しましょう。

(左:牛乳が飲めるようになった量、右:食べて良い食品)

 5ml→ヨーグルト味ラムネ、スライスハム1枚

10ml→食パン1枚

30ml→乳酸菌飲料(ミニサイズ)1本、キャンディーチーズ1個、バターロール1個

50ml→コーヒー牛乳・フルーツ牛乳100ml、インスタントカップスープ1袋

100ml→飲むヨーグルト100g、スライスチーズ1枚、プリン1個、シチュー1皿

200ml→ピザ(ナチュラルチーズ26g)、グラタン1皿

*調理方法や製品によって異なるのであくまで大まかな目安として参考にしてください。

 

今回紹介した量や進めるペースは、慎重に進める場合の一例です。お子さんやご家庭の状況に応じたペースで進めましょう。 

明らかに食物アレルギーの症状が出たことがある、血液検査でIgE抗体価が高い、アトピー性皮膚炎がある、などの場合は必ず医師の指示のもとで安全量を確認して食べ進めましょう。

 

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんのアレルギーに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 小笠原久子

 

参考文献

「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会 . 授乳・離乳の支援ガイド(2019改訂版). 厚生労働省. (2022年3月15日アクセス)

「食物アレルギーの診療の手引き2020」検討委員会. 食物アレルギー診療の手引き2020. 食物アレルギー研究会. (2022年3月15日アクセス)

海老澤元宏ほか. 食物アレルギー診療ガイドライン2021. 一般社団法人日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会. 協和企画. 2021.

伊藤浩明.おいしく治す食物アレルギー攻略法.改訂第2版.アレルギー支援ネットワーク,2018.