なかなかよくならないじんましん、慢性じんましんの特徴と治療

最終更新日: 2024年2月15日 by syounikaonline

じんましんが出たり消えたり、何日も続くことはありませんか。多くはかゆみも強いため、なかなか良くならないと辛いですよね。今回はじんましんが6週間以上続く、「慢性じんましん」について解説します。

原因の特定は出来ないことが多いです

じんましんが6週間以上出たり消えたりを繰り返す場合、じんましんの中でも「慢性」じんましんといいます。(じんましんについては「子どものじんましん、すぐに病院に行くべき?」も参照してください。)

慢性じんましんは、夕方から朝にかけて症状が出たり悪化することが多く、数か月から数年続くこともあります。急性じんましんと同様に、感染やストレス、疲労などで増悪することもあります。

じんましんは、皮膚の血管の周りにあるマスト細胞が刺激されることでヒスタミンという物質がでてくることで起こります。

最近の研究では血液の中にこの反応を刺激するタンパク質(自己抗体)を持つ人がいることがわかっていますが、多くの場合、原因の特定はできません。

治療は症状を抑える飲み薬を使います

治療は、原因物質となるヒスタミンを抑える抗アレルギー薬を使用します。

多くは症状を抑えることができますが、なかなか抑えることができず、数種類の抗アレルギーが必要な場合もあります。ほかに、漢方薬や免疫を調整する薬を補助的に使うこともあります。

多くは、薬を中止すると再び症状がでてしまうため、長期的に薬を使用しますが、うまくコントロールしたうえで徐々に減量していくことで、いずれ薬をやめることができます。

じんましんが続く場合や皮膚以外の症状がある場合、受診が必要です

じんましんは自然に良くなることもあり、必ずしも受診が必要なものではありません。

しかし、繰り返し症状が出る場合、この慢性じんましんの可能性があり、飲み薬で症状を抑えることができます。

また、倦怠感、関節痛、発熱など、皮膚以外の症状がある場合、内臓の病気の可能性があります。詳しい検査が必要ですので、皮膚科や小児科を早めに受診しましょう。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ直接ご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの皮膚に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。

(小児科医 竹下淳子

 

 

参考文献

日本皮膚科学会ガイドライン, 蕁麻疹診療ガイドライン2018

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